研究課題/領域番号 |
21K04569
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
加藤 麻樹 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00312166)
|
研究分担者 |
友野 貴之 札幌学院大学, 心理学部, 講師 (00845703)
佐藤 健 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (40277794)
申 紅仙 常磐大学, 人間科学部, 教授 (80382828)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | トラフィックヒエラルキー / 自転車 / 歩行者 / 交通弱者 / 交通安全 / 安全確認 / 信号機 / 横断歩道 / キックボード / 優先性 / 無信号横断歩道 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国には道路交通法で無信号横断歩道上の歩行者が優先される規定があるが,適切な運用に至っていない. 一方, 先進諸外国では交通弱者を保護するトラフィックヒエラルキー(Traffic Hierarchy)の理念が有効に機能し, 歩行者は横断歩道で優先される.本研究では, 無信号横断歩道で歩行 者が優先されない理由を明らかにすることを目的として,いわゆる交通事故対策の着眼点 (4E)すなわち,規制,技術,環境,教育の観点から, ドライブシミュレータおよび実車による実験, 交通弱者保護にかかる国際比較調査を実施し,課題解決策を構築して我が国のトラフィックヒエラルキーの指針として提案する.
|
研究成果の概要 |
知見では道交法上の歩行者等(歩行者,自転車等軽車両を含む)は実質的には道路上で優先されないことが多い.調査によりドライバーは他の車両がいることで優先行動が低下することがわかった.また実験により自動車は信号機付横断歩道で切替わり時に尚早発進をするなど優先性意識の低さを示した.歩行者は十分な距離があっても横断歩道を渡らない場合が多く,また横断前に自動車に視線を向けるなど車両を警戒する傾向を示した.道路左側を走行する自転車は,実験から車両の1.2倍以上の間隙があればいわゆるすり抜け走行が推察されるが,駐車車両を回避する際の後方安全確認について自転車の習熟度により確認効果に差が生じることがわかった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,道路交通における歩行者と自転車の実際の優先度と,混合交通におけるドライバーの運転行動にかかる現状を科学的に示した.法的な規定と実際の交通現場での乖離が明らかにされ,特に他の車両が存在するとドライバーの優先行動が低下する傾向や,自動車は信号機付き横断歩道でも早期発進の傾向が示された.これに対して優先されるべき歩行者が横断時に自動車を警戒していることと,道路左側を走行する自転車の挙動特性が明示されたことで,ドライバーの交通安全教育や行動変容の促進に向けた知見として,より安全な交通環境の構築に寄与することが期待される.
|