研究課題/領域番号 |
21K04575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
坂牧 孝規 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (80256627)
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研究分担者 |
土井根 礼音 東都大学, 幕張ヒューマンケア学部, 助教 (20784424)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 予測的姿勢調節 / 船舶動揺 / 重心動揺 / 海技技術者養成 / サイバニクス / APAs / MR / 波向き / 生体の立位姿勢動揺 / 予備的姿勢調節機能 / 視覚 / 生体適応能力 / 労働安全 / 海事技術者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,学生らの乗船実習の経験が,船舶動揺に対する生体の姿勢制御に及ぼす影響を,生体の骨格構造などの個体差を考慮し,船員としての適正の有無を船舶動揺に対する生体の立位姿勢動揺などから診断する手法を開発する.さらに,新型コロナウイルス感染症の影響により,乗船実習が十分に行えない場合への対策として,船舶動揺に対する生体の適応能力を身につけるために必要な船舶動揺を,学生の身体的特徴に応じて,陸上の動揺装置を用いて発生させる制御手法の開発を行う. 本研究は,開発システムにより,生体に船舶動揺と同等な動揺を与え,サイバニクスの概念を応用し,複合的な視点で労働安全に関わる問題の解決を図る.
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研究実績の概要 |
本年度の主な研究実績を以下に示す。 (1)船舶環境体感装置の開発 本研究では、実際に生体を動揺させる簡易型動揺装置と、船舶動揺を画像で提示する装置を融合させた複合現実(MR: Mixed Reality)による船舶環境体感装置の構築を目指している。本年度は、操船シミュレータで発生させる波浪映像を360°カメラで撮影し、撮影画像を編集加工し、ヘッドマウントディスプレイで再生することで、操船シミュレータ環境を再現する機能の試作を行った。 (2) 船舶動揺に対する生体適応能力の評価手法の検討 生体の立位姿勢調節は、先ず視覚情報に基づいて発生する予測的姿勢調節(APAs: Anticipatory Postural Adjustments)が生じ、遅れて前庭器官と固有受容器の情報に基づく代償的姿勢調節(CPR: Compensatory Postural Response)が生じる。予測的姿勢調節は、運動発達や運動学習などの経験によって獲得される調節機能で、足圧中心(COP: Center of Mass)の変化で捉えることができる。本年度は、予測的姿勢調節を指標として船舶動揺に対する生体適応能力を評価する手法について検討を行った。本研究では、実験協力者の足圧中心を意味する重心動揺について、その総軌跡長と戦後方向の軌跡長に対する左右方法の軌跡長の比を指標とする評価実験を行った。評価実験は、実験協力者8名について操船シミュレータで発生させた波向きの異なる波映像(波なし、前方、左前45°、左横90°)に対する重心動揺のデータを用いて行い、乗船経験の無い場合は、波映像の波の有無により重心動揺の有意差が有り、一方、乗船経験の有る場合は有意差が無い傾向にあることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、船舶動揺に対する生体適応能力の評価手法の検討に時間を要したことにより、計画全体が遅れた。また、船舶環境体感装置のために画像提示手法を、よりリアリティが有るようにするため、3台の液晶ディスプレイを用いる方法からヘッドマウントディスプレイを用いる方法に変更した。最新のヘッドマウントディスプレイの発売が、年度後半となったため、機能構築が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)船舶環境体感装置の開発 操船シミュレータ、練習船、実習船の同様映像を収集し、簡易型動揺装置と船舶動揺映像を提示する装置を融合させた複合現実(MR: Mixed Reality)による船舶環境体感装置の試作を完成させる。 (2)個体差を考慮した生体反応の解析・診断アルゴリズムの開発評価 本年度開発した手法を用いて、AIを応用した操船者の船舶動揺に対する生体の適応能力の評価手法の開発を行う。実験シナリオを作成し、開発システムを用いて、乗船経験の異なる実験協力者について、検証実験を行う。
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