研究課題/領域番号 |
21K04588
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
田端 千夏子 三重大学, 工学研究科, 准教授 (30508544)
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研究分担者 |
富岡 義人 三重大学, 工学研究科, 教授 (50237111)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 耐震診断 Seismic Diagnosis / 木造住宅 Timber Houses / 費用対効果 Cost Performance / 耐震評点 Seismic Evaluation / 地震被害 Earthquake Damage / 補強 Seismic Reinforcement / 耐力要素 Seismic Element / 耐震診断 / 性能評価 / 仕様 / 評点座標 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、耐震補強にともなう耐震性能の向上を実例収集分析により明らかにし、補強仕様ごとの性能の向上とコストパフォーマンスについて把握するとともに、各種補強仕様の補強効果を実際の被災事例において検証することを通じ、木造住宅の耐震補強のさらなる効率化・適正化を図ることを目的としている。補強前後の耐震性能を「評点座標系」にプロットする独自の方法を提案し、補強方法ごとの耐震性能向上とそのコストパフォーマンスを総合的・視覚的に表現する。木造住宅の耐震診断法により行われた耐震補強が、実際の地震においてどれほどの効果を発揮したか、あるいはどのような補強が効果的だったか、実例に基づいた実証的な検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、耐震補強にともなう耐震効果の向上を実例収集分析により明らかにし、補強仕様ごとの耐震性能の向上とそのコストパフォーマンスを把握するとともに、各種補強仕様の補強効果を実例において検証することを通じ、木造住宅の耐震補強のさらなる効率化・適正化を図ることである。 初年度は、耐震診断判定書・補強工事計画書・工事見積書を、実務設計家および関係団体から入手し、これを原資料として、補強前後の診断評点を評点座標系にプロットすることで、補強前後の設計上の仕様変化とそれによる診断評点の向上を視覚的に表現した。さらに評点座標系と直交する第三次元にコストをとり、補強設計の各種仕様別の工事支出の明細を付加して表現した。これにより、現実の補強設計における仕様策定-性能向上-費用支出の実態の理論的評価が可能となる枠組みが成立した。 次年度は、熊本地震で被災した益城町の住民に対し、アンケート調査を実施し、被害の状況や地震前後の補強の状況、補強および補修費用について基礎的なデータを収集した。評点座標系については、耐震補強時の有用性を考慮し、耐力要素の除去と付加をそれぞれ表現できるように特性ベクトルの概念を追加し、改良を行った。 最終年度は、6月に国際会議にて「評点座標系」に関する成果発表を行い、ディスカッションを行った。本研究で示された「評点座標系」は、耐震補強の「質」を表現し、さらに補強コストの次元を掛け合わせることで、補強方法ごとの耐震性能向上とそのコストパフォーマンスを総合的・視覚的に表現することができ、耐震補強設計の効率化や公共的な施策等の適正化に資するものとして広く活用可能であるとともに社会的有用性・有益性の高いものである。
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