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被災者主導の住宅移転再建メカニズムの解明と復興市街地の空間的・社会的評価

研究課題

研究課題/領域番号 21K04594
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分25030:防災工学関連
研究機関名城大学

研究代表者

柄谷 友香  名城大学, 都市情報学部, 教授 (80335223)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード住宅再建 / 生活再建 / 東日本大震災 / 能登半島地震 / 広域巨大災害 / 被災地支援 / 自閉症スペクトラム症(ASD) / 市街地空間形成
研究開始時の研究の概要

本研究では、望ましい住宅復興とは「被災者が自律的かつ早期に住宅再建・生活回復を果たせると共に、その結果が社会の脆弱性を克服し、空間的・社会的に持続可能な地域再建を進めていくプロセス」と定義した。その検証に向けて、東日本大震災の被災市街地における「個人主導型自主住宅移転再建」及び「地域主導型防災集団移転事業」を被災者の自律再建の体現と捉え、その実態解明により、被災者の住宅再建を促すためのメカニズムとそれを後押しする支援制度を提起する。また、自律住宅移転再建行動に伴う市街地空間の変容を可視化し、地域マネジメントの観点から非コンパクト化や移転先のコミュニティ機能を評価する。

研究実績の概要

本研究では、大規模災害後の自主住宅移転再建など多様な住宅再建過程を解明し、広域巨大災害における持続可能な住宅復興戦略と支援制度の提案と実装を目指す。今年度は、自主住宅移転再建との比較のため、過去のインタビュー記録をもとに東日本大震災後の地域主導型防災集団移転プロセスについて整理を行った。また、本研究で得られた知見を活かすため、令和6年能登半島地震を対象に加え、地元協議会の協力を得て住宅再建調査を実施し、比較データの蓄積に努めた。
1)地域主導による防災集団移転プロセスの実態と課題:防災集団移転を実現した大船渡市3地区の復興委員会メンバーを対象とし、東日本大震災後5年目にはインタビュー調査を実施した。これによれば、避難所滞在の早い時期に発足しており、適地選定から地主との交渉、複数案に対する意向調査まで、復興委員会が担っている。特に、自主住宅移転再建や災害公営住宅など住宅再建の方針を迷う被災者に対しては、度重なる意向調査を実施するなどフレキシブルな対応を行ってきた。一方、移転先が決定した後の区割やその決め方は地区の自治会に任せるなど、住民組織間での役割分担が特徴的であった。住民主導による防災集団移転計画は早期に策定されており、学識経験者や専門家の役割は計画を実現していく上での住民参加型ワークショップの開催や行政との交渉役であった。
2)令和6年能登半島地震後の住宅再建過程に関する基礎データの収集:能登半島地震から3カ月後、七尾市能登島5集落を対象として住宅再建調査(外観8段階評価)を実施してきた。この調査は、本研究で蓄積されたノウハウの実装であり、集落再生のキーパーソンである地元協議会の協力を得て行ってきた。約3カ月ごとの継続的な調査を予定しており、得られたデータを被災集落の復興に活かすとともに、東日本大震災後の住宅再建過程との比較検証を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

地域主導による防災集団移転の実態と課題を整理したところ、当初の仮説であった「自主住宅移転再建の方が防災集団移転より住民の生活再建感が優れている」は必ずしも成立しないことが見えてきた。防災集団移転の事業実施は行政主導を想定していたが、適地選定から住まいの再建方法、区割の意向調査まで地域主導で行ってきたパターンが抽出できた。今後は、行政主導の防災集団移転のケースを探索し、キーパーソンへのインタビューを進める予定である。また、本研究で得られた知見を令和6年能登半島地震の被災地に還元(地元との共同調査、講演会等)できたことは1つの成果と言え、東日本大震災との比較検証のため今後の継続を予定している。

今後の研究の推進方策

陸前高田市など行政に対するヒアリング調査を通じて、地域主導型・行政主導型など防災集団移転プロセスのパターンを抽出するとともに、対象エリアの追加選定を行う予定である。令和6年能登半島地震からの復旧・復興に向けた助言や講演会などは次年度以降も継続し、本研究で得られた知見に基づく被災地支援につなげていく予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 原発避難生活に伴う自閉スペクトラム症(ASD)児とその母親の経時的な困難と支援ニーズ2023

    • 著者名/発表者名
      柄谷友香,内山登紀夫,川島慶子
    • 雑誌名

      都市情報学研究

      巻: 28 ページ: 3-10

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 原発避難生活での自閉スペクトラム症(ASD)児とその母親の困難と支援に関する考察2023

    • 著者名/発表者名
      柄谷友香,内山登紀夫,川島慶子
    • 雑誌名

      地域安全学会・第52回研究発表会(春季)梗概集

      巻: 52 ページ: 289-292

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 地震と沿岸技術~これまでの地震防災と喫緊の課題への対応~2023

    • 著者名/発表者名
      上原修二,小野憲司,柄谷友香,大矢陽介
    • 雑誌名

      CDIT(Coast Development Institute of Technology)

      巻: 61 ページ: 4-13

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 被災を乗り越えるチカラを求めて2022

    • 著者名/発表者名
      柄谷友香
    • 雑誌名

      中部経済新聞

      巻: 25055 ページ: 8-8

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 土木の復興 今後に生かす東日本大震災復興の反省点 -構想・計画・実施の各局面-2021

    • 著者名/発表者名
      奥村 誠・岸井 隆幸・中井 検裕・柄谷友香
    • 雑誌名

      土木学会誌

      巻: vol.106, no.3 ページ: 22-27

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 土木の復興 今後に生かす東日本大震災復興の反省点-構想・計画・実施の各局面-2021

    • 著者名/発表者名
      奥村 誠・岸井 隆幸・中井 検裕・柄谷友香
    • 雑誌名

      建築学会誌

      巻: 1747 ページ: 17-21

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 広域巨大災害における持続可能な自律住宅再建メカニズムの解明2023

    • 著者名/発表者名
      柄谷友香
    • 学会等名
      名城大学リサーチフェア2030
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 復興を描く2023

    • 著者名/発表者名
      土木学会誌編集委員会
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      公益社団法人土木学会
    • ISBN
      9784810610567
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] Health Effects on the Fukushima Nuclear Disaster2022

    • 著者名/発表者名
      Tokio Uchiyama, Keiko Kawashima, Satomi Suzuki, Yuka Karatani
    • 総ページ数
      394
    • 出版者
      Elsevier
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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