研究課題/領域番号 |
21K04595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
小田 和広 大阪産業大学, 工学部, 教授 (00185597)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | デジタルツイン / 斜面災害 / 危険度 / 豪雨 / 現地計測 / 数値シミュレーション / データ同化 / サイバーフィジカルシステム / 体積含水率 |
研究開始時の研究の概要 |
毎年,梅雨時や台風時には,ニュースで”土砂災害警戒情報が発令されています.土砂災害には十分に注意してください”という言葉を聴かないことはない.しかし,このような場合でも斜面災害が起こらない場合がほとんどだし,逆に,警報が出なくても斜面災害が起こる場合もある.もっと斜面災害の発生の予測精度を高めたい.この研究では,最新のICT技術を使って2~3時間前に斜面災害の発生の危険度を予測する方法を開発する
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研究実績の概要 |
本研究は,集中豪雨による斜面崩壊に対し,サイバーシステム的発想に基づく4時間程度先の短時間先の危険度の評価手法を提案することを目的としている.ここで,サイバーシステム的発想とは,計測値(フィジカル空間)とシミュレーション(サイバー空間)をデータ同化によって密接に連携させたデジタルツインを指す.2022年度の成果は以下の通りである. 1)斜面の水の状態に関するデジタルツインの有効性について明らかにした.デジタルツインによって,①現地計測点以外の位置における土中の水の状態を高い精度で推定できる.②物理量として計測が出来ない有効飽和度などの空間的な分布を推定できる.③現地計測を行っていない地下水の発生や地下水位を推定できる.①から③は現地計測が行われる度に行われることにくわえ,水の状態を図化することによって,現在の水の状態を容易に理解できる. 2)デジタルツインによる斜面の水の状態の予測の可能性について考察した.デジタルツインによって同定されたモデルによって,4時間程度先の斜面の水の状態の予想が可能であることが示された.ただし,予測結果は計測値を完全にフォローしていないので,結果の解釈方法が課題となっている.また,雨量に関する気象予報はいくつかの種類があるため,それらの活用方法について検討する必要性が明らかとなった. 3)斜面の安定度を評価するための指標の導入を行った.筆者らが提案しているIQS指数やFS指数だけでなく,無限長斜面を仮定することにより,斜面の安定性をリアルタイムに評価できることを明らかにした.これらの指標に関しては,実運用を目指した活用方法の更なる検討が必要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にに記したIQS指数に基づく斜面崩壊の危険度評価だけでなく,Fs指数や無限長斜面の安定度に本読斜面の安定度評価も導入を進めている.また,短時間予測の可能性について,デジタルツインによって同定されるモデルの妥当性は検証した.
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今後の研究の推進方策 |
①斜面の安定度評価への土壌雨量指数の適用性の考察,②近未来予想のための降雨予報の適用性の検討,③各種指標やデジタルツインから得られる土の水の状態を活用した金薬袋の斜面の安定度評価方法の提案を行う. 2022年度の成果に関しては,国内外学会での発表を予定している.また,研究打合せや研究情報収集のための旅行も多数予定している
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