研究課題/領域番号 |
21K04596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
平沢 秀之 函館工業高等専門学校, 社会基盤工学科, 教授 (90238353)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 木橋 / トラス橋 / 緊急仮設橋 / 架設実験 / 災害復旧 / ワーレントラス橋 / 人力架設 / ワーレントラス / 接合部 / 強度 |
研究開始時の研究の概要 |
自然災害による交通路の分断や集落の孤立が発生した際、人命救助及び物資輸送のために設置する緊急仮設橋を開発し、実用化を目指す。 近年、我が国では地震、台風、竜巻、土砂崩れ等、大規模災害が多発しており、ほぼ毎年のように被害が各地で発生している。被災地ではいち早く復旧活動を開始する必要がある。そこで本研究では、災害復旧用緊急仮設橋を、以下のような設計・製作における工夫を取り入れて開発する。(1)市場に流通している木材を主要材料とする木製トラス橋とする。(2)部材の共通化、接合部のパターンの統一化を図る。(3)ボルト接合の単純化、床版構造の単純化を図る。
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研究成果の概要 |
災害時の緊急仮設橋として木材を利用したトラス橋を開発する。2010年に開発した災害復旧用木製トラス橋は、半日以内で架設が完了するが、接合鋼板には溶接による熱ひずみが発生しその除去が困難であった。2019年に開発した2×8材を使用したトラス橋では、溶接を不要とする改良を行ったが、橋軸直角方向の剛性が低い欠点が明らかとなった。本研究では次の改良を行い欠点を改善した。(1)接合部には鋼板を2枚使用する、(2)橋門構を橋の端部と中間部に設置する、(3)溶接をせず、折り曲げ加工により部材連結を行う。その結果,剛性は向上し死荷重も軽減され、屋外架設実験では架設時間はわずか3時間8分であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究で開発した木製トラス橋は、災害時を想定し電動工具類は使用せずスパナによるボルト締め作業のみで組み立て可能な優れた作業性、わずか3時間程度の急速施工で供用を可とする迅速性を有している。従来、橋は強度や耐久性を重視する設計思想で造られてきたが、災害復旧のための橋にはそれらとは異なる思想で考案する必要がある。特に、人命救助の観点から、被災後72時間以内の救出を果たすためには、被災地に関する情報収集の時間、被災地までの輸送時間、現地での架設時間を極力短縮しなければならない。この意味において、新しい思想を取り入れた学術的意義と架設時間の短縮化により迅速に復旧できる社会的意義がある。
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