研究課題/領域番号 |
21K04601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
岡田 康彦 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (50360376)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 立木 / 根系 / 流木 / 土石流 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国に最も多く分布しているスギ、早生樹を主な研究対象に、立木の転倒抵抗発現による土石流(流木を含む崩土)捕捉機能、根系の発達動態調査を通じた斜面補強機能の解明を目指す。 立木は、流木を目詰まりさせ流下土砂を堰き止める防災効果も発揮する。立木の転倒抵抗を表す転倒抵抗モーメントを算出する。また、1:20スケールの模型水路実験を行って、流木を含む崩土の捕捉作用を示す。 伐採後、植栽してしばらくしてからが斜面崩壊に対する抵抗が最も小さくなるとされているがその実態は不明であり、根系の発達動態から解明を試みる。主伐期を迎える中、防災的観点からみた伐採-植林のサイクルにおける適切な森林管理の基盤情報を示す。
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研究実績の概要 |
新規植栽後の樹木の生長に伴う斜面補強機能の増大に関する特性を把握することを目的に、ケヤキ、センダン、ヤマハンノキの1年間の樹高生長および地際直径を追跡した。その結果、双方に関してケヤキ、ヤマハンノキ、センダンの順に大きくなることが示され、根系の発達に伴う斜面崩壊防止機能についても同様の特性を有すると推定される結果が得られた。 具体的には、2020年に、ケヤキ、センダン、ヤマハンノキの1,2,3年生苗を植栽した後、2021年の12月および2022年の12月に樹高ならびに地際直径の計測を行って、その間の生長を調べた。樹高差については、苗齢によらず概ね樹種ごとに一定に近い値が計測されたものの、最も生長したセンダンが200cmを超えるのに対し、最小のケヤキでは120cm程度と相当程度の差違があることが明らかになった。他方、地際直径差については、ケヤキ、ヤマハンノキ、センダンの順に大きくなることは樹高差と同じであったものの、ケヤキが苗齢によらず1.7cmでほぼ一定値を示したのに対し、センダン、ヤマハンノキについては苗齢に比例して増加したことがわかった。樹木の根系がその発生を防止している表層崩壊を対象にした場合、樹木を伐採して新規に植栽したあと5~10年程度の期間に最もリスクが高まると推定されている。このことと照らし合わし、この期間のリスクを如何に低減するのかという森林管理に向けた基礎データが得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
森林が有する表層崩壊防止機能の高度発揮を考えた場合、スギやヒノキの人工林に加えて、生長速度の大きな樹種の特性を把握して、それらを活かした森林管理を実施することが肝要となる。これまで未解明のままとなっていたケヤキ、センダン、ヤマハンノキに関して、同じ条件下での苗木からの生長について計測された結果は、有効かつ効率的な森林管理計画を策定するとともに森林施業を実施していくうえで重要な基盤的データと位置づけることができ、研究はおおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
ケヤキ、センダン、ヤマハンノキの生長を引き続き継続して観察し、その動態の詳細を明らかにする。これら3樹種の特性を把握するほか人工林の特性との比較検討も行うとともに、森林根系が表層の崩壊を防止する機能を数値的に評価する手法の検討を進め、林分構造の変化を導入した斜面危険度の評価技術開発を推進する。
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