研究課題/領域番号 |
21K04606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
劉 ウェン 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60733128)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 土砂災害 / 深層学習 / 衛星光学画像 |
研究開始時の研究の概要 |
土砂災害は世界で頻発する災害のひとつであり,日本においても豪雨や地震によって多くの土砂災害が発生している.本研究では,深層学習というAI技術を用いて,発災後1時期の光学衛星画像から自動的に土砂災害を検出・分類する手法を提案する.まず,近年発生した災害における土砂崩壊の輪郭を中分解能光学衛星画像から抽出し,機械学習に必要なデータを作成する.作成した土砂崩壊輪郭と異なる分解能の光学衛星画像を学習し,高精度の検出・分類モデルを構築する.さらに,他の実災害に適用することで,提案手法の有効性と精度を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,深層学習というAI技術を用いて,発災後1時期の光学衛星画像から自動的に土砂災害を検出・分類することである。 本年度は2018年北海道胆振東部地震後に撮影したSPOT-7衛星画像を用いて,土砂崩壊箇所を検出する深層学習モデルを構築した.2018年10月4日に撮影した21km×20kmのパンシャープン画像(解像度1.5m/pixel)を192m×192mのメッシュに分割し,国土地理院が目視判読した土砂崩壊範囲を基づき,「崩壊あり」画像が5127枚,「崩壊なし」画像が2910枚に分類した.これらの画像を訓練データ,検証データ,テストデータと分け,モデルの学習と検証に用いた. 深層学習モデルVGG16をベースとしたモデルを構築し,訓練データを学習させて,検証データの損失関数が最も小さくなるモデルを選定した.テストデータに選定したモデルを適用し,90%崩壊あり画像が抽出され,正解率が92%であった.青・緑・赤の3バンドの画像データで構築したモデルと緑・赤・近赤外の3バンドの画像で構築したモデルを比較した.植生が強く反射する近赤外バンドを含めたデータセットで構築したモデルの精度が,可視光のみのモデルより2%以上高かった.植生の多い山間部では,近赤外バンドの有効性を示した. また,2016年熊本地震前後南阿蘇村周辺のSPOT画像を購入し,熊本地震とその後の豪雨による土砂移動域のデータを整備した.多時期航空機レーザ計測データを入手し,標高変化から土砂移動域の特定を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度実施予定のモデル構築は,2018年北海道胆振東部地震の厚真町の土砂崩壊データで行った.地震後1時期の光学衛星画像のみで,判別精度が90%以上のモデルが作成できた.
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今後の研究の推進方策 |
今後では,整備した広島県と熊本県の土砂崩壊データを用いて,北海道胆振東部地震で構築したモデルに適用し,精度の検証を行う.さらに,異なる災害のデータを混合し,自動検出モデルの改善を試みる予定である.
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