研究課題/領域番号 |
21K04607
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
福山 泰治郎 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (60462511)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 雪崩 / 根返り / 幹折れ / ピット / マウンド / 南アルプス / 倒木 / 空中写真 / 山岳域 / リモートセンシング / 森林 |
研究開始時の研究の概要 |
雪崩の動態解析に使われている現行のシミュレーションを現実に即した形にするために,解析精度の向上に不可欠な要因である「山岳域の積雪深」と「森林の雪崩減勢効果」をプログラムに反映させる必要がある。そこで,それぞれの要素を包含し最適化させたプログラムによって雪崩流下範囲と倒木範囲を可視化し,「雪崩・倒木ハザードマップ」のプロトタイプを構築することで,今後の環境変動に対応した防災・減災対策手法を開発するための一助とする。
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研究成果の概要 |
2017年に南アルプス・仙丈ヶ岳の北東斜面で大規模な雪崩が発生し,倒木が生じた。そこで森林の被害形態や被害範囲を調査するとともに,雪崩の発生条件の推定を試みた。空中写真判読と現地調査から,標高2,200 m 以上の急傾斜地で雪崩が発生し,3.5 haの森林を倒壊したことが明らかになった。倒木被害範囲および幹折れ木のサイズを現地調査し,シミュレーションによって得られた雪崩速度分布を補正し,雪崩による森林の被害範囲予測を行った。また,倒木によって地表面の粗度が減少することで,次の雪崩の到達範囲がどの程度拡大するかを予測した。さらに,根返りによって生じた裸地の面積や,生産された土砂量を見積もった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の温暖化にともない降雪は少なくなるが,大雪の頻度が高くなると言われている。その場合,長期間積雪が少なく樹木が大きく育った斜面で突発的な降雪による雪崩が発生すると大規模な倒木をひきおこすおそれがある。本研究は,北アルプスに比べて雪崩が少ない南アルプス域における倒木をともなう雪崩の事例を対象として,雪崩の流下範囲や森林の倒木被害範囲を予測することを試みるとともに,雪崩にともなう倒木の形態(根返り・幹折れ)にも着目した。これらの研究を通して,雪崩による倒木の運搬や,河道に倒木が到達することによる流木リスク,斜面における不安定土砂の生産を見積もるのに重要なデータが得られた。
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