研究課題/領域番号 |
21K04611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
木村 至伸 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (10363607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 鉄筋腐食 / 劣化進行モデル / 剛性低下 / 維持管理 / 損傷評価 / 耐震性能 / 剛性低下予測 / 予防保全型維持管理 / 模擬地震動 / 予防保全型耐震性能評価システム / 模擬地震動の作成 / 地震動の類似性評価 / 予防保全 |
研究開始時の研究の概要 |
経年劣化を考慮した社会基盤を対象に,波状的に作用する地震力に対しての累積的な損傷評価を行い,予防保全型耐震性能評価システムの構築を目指すものである. 具体的には,県や市町が有する橋梁点検支援システム情報を分析し,飛来塩分の影響を受ける3つの環境区分(普通,やや厳しい,厳しい)を想定した環境別の剛性低下予測を行う.さらに,損傷制御に基づく累積的損傷評価を検討するため,常時微動観測を行い地盤震動特性を反映させた模擬地震動を用いて,前震および余震などの波状的な地震力に対する累積的損傷評価を行う.これらの検討より,予防保全型耐震性能評価システムの構築を検討する.
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研究成果の概要 |
本研究課題では,橋梁の点検結果に基づきマルコフ連鎖を用いた劣化進行モデルの推定,ならびに,劣化進行モデルによって鉄筋腐食による剛性低下を評価し,経年劣化が構造物の耐震性能評価に及ぼす影響について取り組んだ.さらに,不確定性の影響を考慮した剛性低下を用いた構造物の損傷評価を行うことで,耐震性を考慮した予防保全型の維持管理シナリオの提案を行った.加えて,余震活動による累積的な損傷が予防保全型の耐震性能評価に及ぼす影響を明らかにし,一連の地震活動を考慮した予防保全型耐震性評価手法を提案した.これら結果は,対象とする地震動の震動特性に依存することから模擬地震動の作成法についても言及した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高度経済成長期に建設された構造物の多くを長期にわたって安全な状態で供用するためには,定期的な点検や適切な時期に修繕を行うことで長寿命化を促す必要がある.さらに,地震大国であるわが国では,耐震性を考慮した維持管理水準を検討する必要がある.そのため,耐震性に着目した予防保全型維持管理手法を検討する際には,経年に伴う剛性低下による耐震性能評価を明確にしておく必要がある.よって,本研究課題の手法により,構造物の経年に伴う剛性低下の推定と余震も含めた一連の地震活動に対する損傷予測が可能となり,耐震性に着目した予防保全型の維持管理に役立つことができる.
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