研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,自然災害に関する多様な言説に着目しながら,ハザードマップ,防災ガイドおよび現地に表記される情報の適切性を評価し,神話,民話,妖怪伝承,怪異譚,人びとの体験談を含むその土地に根ざした「地域空間の物語性」が防災・減災において果たす役割と意義を提示する. 方法としては,自然災害に関連する伝承や語り部活動などを抽出し,GISを用いて実際の災害リスクポテンシャルとの関係性を検討する.また,認知心理学の手法を用いて,物語性が人びとのハザード情報の認識に与える影響を検証する心理実験を展開する.それらの成果をふまえて,実効性のある地域防災の実現に向けたハザード情報表記のモデルを提示する.
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