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「地域空間の物語性」を考慮したハザード情報表記の適切性評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K04612
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分25030:防災工学関連
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

高田 知紀  兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (60707892)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード地域空間の物語性 / 風土性 / 神社空間 / 妖怪 / 「みえないリスク」へのそなえ / 物語によるリスク認識 / 伝承 / 民話 / 発語内行為 / 発語媒介行為 / 古典のなかの災害記述 / わざわい / 物語性 / ハザード情報 / 地域防災
研究開始時の研究の概要

本研究課題では,自然災害に関する多様な言説に着目しながら,ハザードマップ,防災ガイドおよび現地に表記される情報の適切性を評価し,神話,民話,妖怪伝承,怪異譚,人びとの体験談を含むその土地に根ざした「地域空間の物語性」が防災・減災において果たす役割と意義を提示する.
方法としては,自然災害に関連する伝承や語り部活動などを抽出し,GISを用いて実際の災害リスクポテンシャルとの関係性を検討する.また,認知心理学の手法を用いて,物語性が人びとのハザード情報の認識に与える影響を検証する心理実験を展開する.それらの成果をふまえて,実効性のある地域防災の実現に向けたハザード情報表記のモデルを提示する.

研究成果の概要

本研究の目的は、ある事象が具体的な土地や環境と紐づけられる形で文脈と展開をもって語られる性質を「地域空間の物語性」と表現し、その防災上の意義を提示することである。この目的に対して本研究では、日本の伝統的社会において、災害リスクの低減に向けては「避ける」「祈る」「語る」という3つの姿勢が重要であったことを示した。そのうえで、現代における地域防災活動の社会実験を展開し、「地域空間の物語性」の視点を導入することで、人びとは自身が生きる時間と場所のみならず、過去や他の土地において生じた膨大な事象のなかからある部分を選択し、解釈し、自身の関心領域と関連付ける形で記憶にとどめることができることを示した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の重要な学術的成果は、近代的合理性を問い直し、自然・文化・主観・客観・個人・集団が通態的に連関している現実のなかでの防災の姿勢および地域防災の手法を提示したことである。「地域空間の物語性」の視点を導入することは、矛盾や理不尽を含みながら、複雑な自然環境のなかのリスクと対峙するための重要な姿勢を、個々の人びとが自ら見出すことにつながっていく。それは、科学的知見にもとづく理性的判断だけでなく、人びとの感性にもとづく新たな防災手法の展開を実現する。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「ため池の履歴」が提示すること ~兵庫のため池をめぐるフィールドワークから~2024

    • 著者名/発表者名
      高田知紀
    • 雑誌名

      湿地研究

      巻: 14

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ため池の妖怪にみる資源とリスクのマネジメント2024

    • 著者名/発表者名
      高田知紀
    • 雑誌名

      湿地研究

      巻: 14

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 和歌にみる雨と自己との相互浸透的構造に関する一考察2024

    • 著者名/発表者名
      高田知紀
    • 雑誌名

      感性哲学

      巻: 13

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] The Effects of Japanese Yokai (妖怪) in the Natural Disaster Prevention2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Takada, Mitsuyo Toyoda, Masami Kato
    • 学会等名
      ASLE + AESS 2023 Conference
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 八代集にみる雨と身体の感性的関係に関する一考察2023

    • 著者名/発表者名
      高田知紀, 臼田妃那, 小塚みすず
    • 学会等名
      第25回日本感性工学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 神社を核とした防災コミュニティ2022

    • 著者名/発表者名
      高田知紀
    • 学会等名
      社叢学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 神と妖怪の防災学:「みえないリスク」へのそなえ2024

    • 著者名/発表者名
      高田知紀
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589043214
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-01-30  

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