研究課題/領域番号 |
21K04623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井上 耕治 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (50344718)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アトムプローブ / 3次元アトムプローブ / 偏析 / 格子欠陥 / コットレル雰囲気 / 溶質原子の偏析 / コットレル効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、透過型電子顕微鏡観察と3次元アトムプローブ分析を同一の転位に対して行い、透過型電子顕微鏡で転位構造を決定し、透過型電子顕微鏡で観察した転位における溶質原子の3次元元素分布を3次元アトムプローブで得る。そして、転位構造と溶質原子の分布の対応を見ることで、転位-溶質原子相互作用(コットレル雰囲気)の詳細を明らかにする。
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研究成果の概要 |
3次元アトムプローブを用いて、刃状転位やらせん転位における溶質原子の3次元分布を観察した。転位への溶質原子の偏析を効率よく観察するために、新しい試料作製法を開発した。測定試料は集束イオンビーム加工装置(FIB)で加工するが、FIBに具備する走査電子顕微鏡では転位観察は困難である。そのため、FIBによって針試料を作製してから透過型電子顕微鏡観察を行い、針試料内での転位線の位置を確認し、再度追加工を行い。針先端に転位を含む試料を作製し、転位における溶質原子の3次元元素分布を得た。この手法は転位に限らず、さまざまな格子欠陥に適用できるため、派生効果でボイド周囲の偏析についても明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構造材料でもっとも重要な鉄鋼材料において、Cの分布は機械的特性に大きな影響を与えるため、その詳細を理解することは、今後の材料開発にとって重要である。Cは軽元素であるため従来の手法では検出しにくく、今回、原子1個1個を3次元実空間で見ることのできる3次元アトムプローブを用い、さらに試料作製方法を工夫することで、転位などの特定部位のCの分布について明らかにした。今回開発した手法は転位に限らず、さまざまな格子欠陥に適用できる。さらに、鉄鋼材料以外の材料への適用も可能である。そのため、一例としてタングステン中のボイド周囲の核変換元素の偏析についても適応し、この手法の有効性を示した。
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