研究課題/領域番号 |
21K04639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
武井 貴弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50324182)
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研究分担者 |
熊田 伸弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90161702)
前田 浩孝 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20431538)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 希土類金属イオン / メソポーラスシリカ / リンケイ酸 / イオン交換 / 第二族元素 / リンケイ酸ネットワーク / メソポーラス多孔体 / 希土類金属 / ナノ多孔体 / レアメタル |
研究開始時の研究の概要 |
いわゆるレアメタルとは、地殻中の存在量が比較的少ないこと、あるいは採掘や精錬コストが高いなどの理由で高価である非鉄金属を指す。レアメタルの用途は、構造材料、光学材料、電池材料、磁性材料、電子材料など多岐に渡っており、現代社会において極めて重要な元素である。我が国は資源に乏しく、レアメタルの大部分は輸入に頼っているが、都市鉱山中のレアメタルを利用できれば、我が国はむしろ資源国になりうる。そこで本研究では、都市鉱山等の処理によって溶解させたレアメタルを含む水溶液中からの回収を見据え、ナノ多孔体のネットワーク構造中のイオンの拡散を利用した新しいレアメタルの分離吸着剤の開発を行うことを目的する。
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研究実績の概要 |
本研究では、レアメタルイオンの選別抽出可能なイオン交換・吸着材の創成について検討すること、特に、レアメタルを回収可能な新しいイオン交換機能を有するシリカ系多孔体の開発について以下の内容を検討した。 まず、メソ多孔体へリン酸の複合化を検討した。シリカへ導入する際にオルトリン酸を用い、さらにpHを調整し、最終的に酸化物P2O5換算で最大で12mol%程度のリン酸のメソポーラスシリカ(MPS)への導入に成功した。また、比表面積の減衰も少なくおよそ840m2/g以上の比表面積を保っていた。次にピロリン酸についても同様に複合化を検討した。その結果、最大で4mol%以下の複合化量であり、オルトリン酸よりも明らかに複合化量が減少した。これは、オルトリン酸がリンに対して3倍のプロトン量(H3PO4)であるのに対し、ピロリン酸は2倍のプロトン量(H4P2O7)であり、リン酸の複合化量が増加すると考えられたが、オルトリン酸の1段目のpKaは2.1であるのに対しピロリン酸では1段目が0.9、2段目が2.0である。このことは、ピロリン酸の方が酸性度と酸強度が両方とも大きく、つまり縮合しづらいためであることが考えられる。 また、これらの試料について希土類金属イオンの吸着挙動について評価し、リン酸未導入の試料と比較して40倍以上の吸着量を示し、オルトリン酸、ピロリン酸関係なく、リン酸の量が多いほど吸着特性も良好であった。さらに、テトラド効果から上に凸であり吸着後にイオン性が小さくなることが示された。 さらに、シリカ源に廃ガラスを用いて、リン酸の代わりに第二族元素を導入したMPSも作製した。第二族元素の含有量が多いほど希土類のイオン交換量が増加したが、同時に廃ガラスのみでも希土類イオンの吸着が確認された。このことについては現在検討中であるが、MPS中のプロトン量が大きく影響している可能性が考えられた。
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