研究課題/領域番号 |
21K04643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
芦田 淳 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (60231908)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 太陽電池 / 電気化学 / 亜酸化銅 / 電気化学成長 / 電界電位変調 / 価数制御 / 電気伝導性 / 酸化物 / 光電変換 / 電気伝導特性 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋プラスチックの問題に象徴されるような人工物の環境への影響に対して、研究者も当然その責を負うべきである。特に太陽電池などの大型電子素子では、毒性が低い材料の選択が必須である。本研究では、銅という人類が古くから使用してきた比較的環境負荷の小さい元素から成る半導体に着目し、製造時、使用時、また廃棄後も含めて環境への影響を最小限にとどめ、かつ既存のものを凌ぐコストパフォーマンスの太陽電池実現を目的とする。具体的には、電気化学成長法によって、半導体である酸化銅の電気的性質をこれまで以上に広い範囲で制御する手法を開発し、安価かつ高効率で安心、安全な太陽電池の実現に道を拓く。
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研究成果の概要 |
電気化学成長では、成長条件によって元素の最安定価数が一意に決まるため、成長条件を制御することでCuの価数を比較的容易に制御しうる。この特性を利用してCu2O中のCuの価数を一時的に1価から2価にできれば、過ドーピングに依らないn型伝導を実現できる可能性がある。しかし実際に電解電位を2価が安定な領域にして成長を試みたところ、成長がほとんど進行しなかった。この原因として、強アルカリ領域での別の反応が関与している可能性がある。そこで当初の計画を変更し、まずはより低いpHでの電気化学成長を試みた。その結果、成長温度を最適化することによって、pH7.5においてもCu2O薄膜の電気化学成長を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの薄膜素子は、真空中かつ高温で成長させる気相法によって作製されている。これらの方法は、製造設備が高価で、エネルギー消費が大きく、原料元素の利用効率も低い。太陽電池やパワー半導体などグリーン社会の実現に不可欠な素子は、使用する物質の面積や体積が大きく、特にこれらの課題が顕著になる。 一方液相から薄膜を作成する手法の多くはこれらの課題をクリアできるが、厳密な物性の制御方法が未開拓である。本研究で対象とする電気化学法は、原理上電解電位、電解液のpH、含有イオン濃度、温度が決まれば、安定に存在できるイオンの価数が一位に決定される性質を持つことから、得られた半導体の特性を制御できる可能性がある。
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