研究課題/領域番号 |
21K04647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
安達 裕 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 電子・光機能材料研究センター, 主幹研究員 (30354418)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 酸化亜鉛薄膜 / 三酸化タングステン薄膜 / エピタキシャル成長 / 不純物添加 / ガス選択性 / 膜厚依存性 / エタノール / アセトン / 半導体ガスセンサ / 三酸化タングステン / 水素 / パルス・レーザー蒸着法 / 酸化亜鉛 / 超薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
小型呼気分析装置への応用に向けて、酸化物半導体ガスセンサのガス選択性の向上が課題となっている。本研究では、コストや感度などの面から、これまで酸化物半導体ガスセンサとしての研究はほとんどなされていなかったエピタキシャル薄膜を用いて、ガス選択性に優れたガスセンサの開発を行う。エピタキシャル薄膜は、膜厚、面内粒子径、表面に露出する結晶面などの制御性がよいため、それら条件を同一にし、組成のみを変えたサンプルを作製することができる。この特徴を利用すれば、ガス選択性向上のためのキー・ファクターを探し出すことが容易になるため、ガス選択性に優れた酸化物半導体ガスセンサの実現が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は、粉末やナノ構造体の代わりに、エピタキシャル薄膜を酸化物半導体ガスセンサの母体材料として用いて、添加不純物とガス・センシング特性の関係を明らかにし、ガス選択性に優れた酸化物半導体ガスセンサの設計指針を得ることを目的とした。ZnO薄膜に酸性度の異なる不純物を添加したときのセンサ特性を調査したところ、Mgを添加したときに最も優れたエタノールガス選択性を示した。また、添加不純物の酸性度がそれより高くなっても、低くなってもガス選択性が低下する傾向があることもわかった。この結果は、添加不純物の酸性度を考慮することが、ガス選択性に優れたガスセンサを設計する際に重要であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体ガスセンサの重要な課題の一つは、ガス選択性の向上である。その課題解決のため、母体材料である粉末・ナノ構造体に貴金属や金属酸化物を添加することが、これまでに数多く試みられてきた。しかし、粉末やナノ構造体の場合、不純物を添加すると粒子サイズなどセンサ特性に影響を与える他のパラメータも変わってしまうため、添加不純物が本当にガス選択性の向上に寄与しているのかは明確ではなかった。本研究では、センサ母体材料としてエピタキシャル薄膜を用いたので、添加不純物の役割をより明確にすることができた。また、この結果は小型でガス選択性に優れたガスセンサの設計に寄与し、携帯型呼気分析装置などへの適用が期待される。
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