研究課題/領域番号 |
21K04648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
小川 貴史 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 上級研究員 (90515561)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 結晶構造探索 / 機械学習ポテンシャル / モンテカルロ法 / 蛍石構造 / 蛍石 / 欠陥蛍石 / パイロクロア / 点欠陥 / イオン拡散 / 酸化物 / 構造 / 拡散 / 分子動力学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、中性子全散乱測定に基づくPDF解析により、複合酸化物における局所秩序構造の特定が進んでいる。一方、蛍石型構造を有する酸化物において、新たな秩序構造が低温構造として現れる可能性が、限定的な構造探索計算により見出されている。本研究では、幅広い組成を有する蛍石型構造における新たな規則構造の存在とその特徴を明らかにすることを目的とし、複合酸化物における構造探索を精度よく高速に実施する計算スキームを構築するとともに、開発した手法を蛍石型酸化物へ適用する。また、見いだされた低温構造が有する機能性についても検討するため、酸化物イオン伝導性などの材料物性の理論評価も実施する。
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研究成果の概要 |
蛍石型派生構造において観察される冷却速度に依存した局所的な秩序化現象及び関連する物性を調べるための理論解析手法の開発と適用研究を行った。複合酸化物結晶における配置探索手法として、第一原理計算とニューラルネットワークポテンシャル、モンテカルロ法による有限温度サンプリングを組合わせた手法を適用し、温度に依存した局所構造変化の存在を明らかにした。また、蛍石型構造における酸素イオン拡散性や点欠陥挙動などの物性評価のための基礎的手法を提案し、パイロクロア構造や蛍石型構造を有する系へ適用した。以上のように、明確な長距離秩序を持たない低温構造を調べる手法の基盤構築を進めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発された手法を用いることで、中性子全散乱測定に基づくPDF解析や冷却速度の低下により複合酸化物結晶中に存在が示唆される局所秩序状態と、その材料特性を理論的に調べることができる。イオン伝導性や電子・光物性等の材料特性は局所構造の変化に影響を受けるため、上記の理論解析より、機能性材料の探索や制御をする上で必要となる基礎的な情報を得ることができる。よって、様々なエネルギー材料の開発に役立てられるものと期待される。
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