研究課題/領域番号 |
21K04650
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
小林 亮 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70560126)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 界面 / 固体電解質 / 反応力場 / 分子動力学 / 蓄電材料 / 電極電解質界面 |
研究開始時の研究の概要 |
全固体電池の性能を左右する電極・電解質界面におけるミクロな反応機構を明らかにするため,化学反応を再現可能な原子間力場を効率的に構築する手法およびプログラムを開発する.本手法を用いてLi金属とNASICON型固体電解質の界面のシミュレーションを可能とする力場を構築し,電極・電解質界面の分子動力学シミュレーションを行い,ナノスケールの観点から界面構造変化やイオン伝導機構をより深く理解できる方法論を確立する.
|
研究実績の概要 |
本研究では,全固体電池の性能を左右する電極・電解質界面におけるミクロな反応機構を明らかにするため,分子動力学シミュレーション(MD)の中で電荷移動を伴う原子構造変化やイオンダイナミクスの再現が可能な原子間力場を効率的に構築する手法およびプログラムを開発する.開発した手法を用いてLi金属とNASICON型固体電解質の界面のシミュレーションを可能とする力場を構築し,電極・電解質 界面のMDシミュレーションを行い,ナノスケールの観点から界面構造変化やイオン伝導機構をより深く理解できる方法論を確立することを目的とする. 初年度から前年度にかけて,電荷可変型クーロン力場と環境依存型のMEAM力場のプログラムに加え,効率的パラメータ最適化プログラムを汎用化して,MDプログラムで計算可能なあらゆる物理量を教師データとして最適化することを可能とするプログラムを開発し,公開した. Li金属負極からのデンドライト形成・成長を抑制する可能性のあるコーティング材として期待されているLiFを対象に,Li/LiF界面における反応機構解析を行うための反応力場の構築に取り組んだ.Li単体,LiF単体,F2分子における生成エネルギー差,各構造における動径・角度分布関数をよく再現する力場を構築し,Li/LiFにおける原子構造を第一原理計算と比較して精度検証を行った.電荷可変型とMEAN型力場を用いて,Li/LiFおよび空孔形成エネルギーなど所望の物性全てを十分な精度で再現するのは困難であることが示された. 精度に関して妥協したLi/LiF力場を用い,LiF粒界を解析した結果,粒界近傍ではF空孔が形成されやすいこと,Liイオンは自由体積の大きい粒界に沿って速く拡散することが示され,LiFの粒界を介して高いLiイオン伝導を確保したLi金属コーティング材となる可能性があることを示した.
|