研究課題/領域番号 |
21K04651
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤森 宏高 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00301309)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | チタン酸ビスマスナトリウム / ラマン / 強誘電体 / ラマン散乱 / リートベルト解析 / 錯体重合法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の研究計画は、以下の3項目からなる。 (1)錯体重合法による組成が極めて均一な試料の低温合成(令和3年度、令和4年度、令和5年度前期に実施) (2)電気的性質の測定(令和3年度後期、令和4年度、令和5年度前期に実施):誘電率、歪みと電場との間のヒステリシス、抗電界、残留分極などの測定 (3)構造解析(令和3年度後期、令和4年度、令和5年度に実施):粉末X線回折(XRD)のリートベルト解析によるMPB組成の評価、顕微ラマンを用いた2相共存下における両相のドメイン関係の観察、透過型電子顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡を用いたEBSD(電子線後方散乱回折)観察
|
研究成果の概要 |
環境に優しい非鉛系強誘電体であるNa0.5Bi0.5TiO3 (NBT)において、従来から行われてきた固相反応法では1120℃以上の高温での長時間焼成を必要とするために、NaとBiが揮発し、仕込み組成から実際の組成がずれてしまう可能性がある。この場合、NBT中のNaとBiが欠損することにより正しい評価が行われてこなかったことになる。そこで本研究では錯体重合法を用いた低温合成により、無欠損のNBTの合成を行い、X線回折のリートベルト解析によりモルフォトロピック相境界(MPB)の再評価を行った。さらに顕微ラマンを用いた偏光測定による2相共存下における両相のドメインの観察にも挑戦した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既往の研究で行われているような、仕込み組成濃度からずれた欠陥量を制御できていない試料を用いる場合、その研究成果は各研究室や工場におけるプロセスのノウハウとして蓄積されるだけである。これでは別の研究室や工場での再現性は得られず、サイエンスとは言えないばかりか、品質管理がなされた安定した生産からは、ほど遠くなる。我々が合成した無欠損のNBTの試料においては、既往の研究では出現していなかった相が出現することを、我々は検出している。本研究のように組成濃度を厳密に制御し、素性のわかった試料を用いて構造を明らかにすることは極めて大きな意義があると思われる。
|