研究課題/領域番号 |
21K04655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山本 崇史 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (40532908)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 磁性 / ナノシート / 電気化学 / 磁気特性 / 電気伝導度 / 磁性ナノシート / 磁気物性 |
研究開始時の研究の概要 |
厚みが数nm程度に対して横サイズが数μmに及ぶ超異方的2次元結晶の総称である無機ナノシートは次世代エレクトロニクス・スピントロニクスの基幹材料として有望視されている。本研究課題では、磁性体ナノシートの大量合成手法を確立することによって磁性パラメーターを実験的に獲得し、2次元磁性体の本質に迫ることを目的とする。具体的には、酸素や水に対して比較的耐性があり、磁気転移温度が比較的高い2次元磁性体であるFe3GeTe2, MPS3 (M: 遷移金属イオン) を探索対象とする。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、スピントロニクス分野への応用展開が期待される2次元磁性体を研究対象物質とし、ナノシートの大量合成手法の確立および磁性パラメーターの獲得を目的とした。FePS3層状結晶の大量合成に関しては、サンプル全体にわたって不純物を全く含まない合成条件は見いだせなかった。また、FePS3層状結晶のナノシート化に関しては、電気化学反応を利用することによって、厚さが5 nm、横サイズが100 nm程度のFePS3ナノシートが得られることを見いだした。また、国際共同研究を通じ、Fe系金属-有機超構造体をナノシート化することよって、CO2の光触媒能が劇的に向上することを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題においては、「無機ナノシートが真に次世代エレクトロニクスを支える基幹物質となりうるか」を命題に掲げ、2次元磁性体がスピントロニクス分野への応用に資する物質群であるかどうかを検討した。2次元磁性体であるFePS3層状結晶の大量合成に関しては、不純物を全く含まないサンプルを得ることはできなかったが、ナノシート化に関しては、電気化学反応を利用することによって、比較的簡便な操作でナノシート分散液が得られることがわかった。以上のように、引き続き詳細に条件検討を進める余地はあるものの、学術的・産業的に重要な知見を得たことは、今後の学際領域研究の発展に対して寄与するところが少なくないと言える。
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