研究課題/領域番号 |
21K04656
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
冨田 恒之 東海大学, 理学部, 教授 (00419235)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アップコンバージョン蛍光体 / 希土類 / フォノン / 酸化物 / 多フォノン緩和 / 蛍光体 / セラミックス / 錯体ゲル法 / 錯体重合法 / アップコンバージョン |
研究開始時の研究の概要 |
希土類系アップコンバージョン蛍光体は希土類イオンが多光子多段階励起することで励起光よりも短い波長の蛍光発光を起こす材料である。ボリュームディスプレイやバイオイメージングなどの応用が期待され、明るい発光に加えて青緑赤の3原色の発光や、生体透過性の高い近赤外の発光が求められている。明るい発光を得るにはフォノンエネルギーの小さい母体が選択されるが、赤や近赤外発光には適度なフォノン緩和が必要なことから、明るい赤発光と近赤外発光を示す材料はなかった。本研究では酸化物母体を対象に、赤や近赤外発光準位まで緩和を引き起こしつつ、高い発光効率をもつ赤および近赤外発光アップコンバージョン蛍光体を開発する。
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研究成果の概要 |
酸化物母体結晶の希土類系アップコンバージョン蛍光体の赤色発光について研究を行った。酸化ガドリニウム、ガドリニウムランタン酸化物、バリウムガドリニウム亜鉛酸化物において、980nmの近赤外光励起により強い赤色発光が観測された。エルビウムとイッテルビウム量を調整することで、強い赤色発光が見られた。980nmの光子2つ分のエネルギーに相当する490nmを励起光に用いたところ、緑色発光が優位であったことから、アップコンバージョン発光では1段階目と2段階目の間にフォノン緩和が行われることで、赤色発光が達成されることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
赤色発光はアップコンバージョン蛍光体を用いたフルカラーディスプレイやバイオイメージングにおいて強く求められているが、これまで十分に強い発光を示す材料がなかった。本研究によって、強い赤色発光を示す材料が見出された。さらに、赤色発光を増強するための具体的な方針が示されたことは、学術的にも意味のある成果といえる。フッ化物などで明るい青色や緑色発光を示す材料が見出されており、これらと本研究の赤色発光酸化物を組み合わせフルカラー化が可能となったことから、アップコンバージョン蛍光体の応用が大きく前進すると期待される。
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