研究課題/領域番号 |
21K04658
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
齋藤 和也 豊田工業大学, 工学部, 教授 (20278394)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 可視ファイバレーザー / フォトダークニング / ファイバレーザ / ファイバアンプ / シリカガラス / 構造緩和 |
研究開始時の研究の概要 |
青色LDを励起源とした高出力・可視シリカファイバレーザーの開発は、赤外ファイバレーザーでは加工が難しい銅などの赤外吸収の少ない金属を加工するのに渇望されている。しかしながら、可視シリカファイバレーザーの実用化には、フォトダークニング抑制という非常に困難な課題がある。フォトダークニングとは、励起レーザーにより欠陥が生成する現象で、生成した欠陥による吸収増加でレーザー発振が阻害される。本研究では、可視シリカファイバレーザーの高出力化を阻害するフォトダークニングの機構解明を行う。
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研究実績の概要 |
Yb添加シリカファイバレーザーは加工用に広く普及しているが、赤外線領域で吸収が少ない銅を加工することが困難である。このため、ファイバレーザーの発振波長をより短波長化することが求められている。最近、青色LDの高出力化が急激に進み、青色LDを励起源とする可視ファイバレーザーの開発が活発化している。申請者らは、スロープ効率22%、出力110mWを越える可視シリカファイバレーザーの開発に初めて成功したが、実用化には“フォトダークニング(PD)抑制”という非常に困難な課題がある。PDとは、励起レーザーにより欠陥が生成する現象で、生成した欠陥による吸収増加でレーザー発振が阻害される。そこで本研究では、「高出力・可視シリカファイバレーザーの実用化」に必須の基礎的研究として、「可視シリカファイバレーザーの高出力化を阻害するPDの機構解明」を目的とした研究に取り組んでいる。また、フォトダークニングを抑制する共添加イオンの探索を行い、実用化に適う希土類添加シリカガラス素材の開発を目指している。 2022年度は、Dy-Al-Ge添加シリカガラスにおけるX線誘起PDと青色励起LD誘起PDについて生成欠陥種を明らかにし、その欠陥生成機構の違いを提案した。また、B添加効果について調べ、これまでで最高のPD抑制効果を得ることに成功した。今後、最適B添加濃度を探索すると同時に、B添加によるPD抑制機構を解明する予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年度に計画していた、Ge添加によるPD抑制機構の抑制機構を明らかにした。また、X線誘起PDと450nm LD誘起PDに対するGe添加効果の違いを明らかにした。さらに、計画外のB添加効果によるPD抑制効果を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に見出したB添加によるPD抑制効果をさらに詳しく調べると同時に、計画していたF, Ce, Hの共添加効果を調べて、Dy添加シリカファイバの実用化を目指す。
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