研究課題/領域番号 |
21K04693
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
井上 晋一 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 助教 (30792585)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | マグネシウム合金 / 不燃性 / 高温酸化 / Mg合金 / 酸化皮膜 / 希土類元素 |
研究開始時の研究の概要 |
マグネシウム合金は、高温で容易に発火するという克服すべき課題を有しているが、合金表面に酸素を遮断する緻密な酸化皮膜を形成させることで、発火温度を向上させることができる。これまでの研究により、マグネシウム合金に形成する高温酸化皮膜は6種類に分類され、thermal barrier型酸化皮膜がマグネシウム合金の難燃性に非常に高い効果を発揮することが明らかになりつつある。そこで、本研究では、thermal barrier型酸化皮膜形成を決定する因子の解明を行うことで、マグネシウム合金の不燃性付与技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
Mg合金の酸化皮膜観察によって、thermal barrier型酸化皮膜は酸素の内方拡散が抑制されると形成することが明らかとなった。これは外方拡散する元素を添加するだけでなく、皮膜中での酸素の粒界拡散や原子価制御による酸化速度の低減も非常に有効であることが本研究によって明らかにすることができた。その結果、thermally grown型Y2O3皮膜を形成するMg-1Zn-2Y合金(発火温度:880℃)にCa, Yb, Be, Srなどの元素を微量添加することでthermal barrier型Y2O3皮膜が形成させ、発火温度が1000-1050℃まで向上させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって高い酸素遮断能を有するthermal barrier型酸化皮膜形成による不燃性の向上は、高温で容易に発火するMg合金の安全性を高め、航空機などの輸送機器への適用を促進するだけでなく、Mg合金の鋳造プロセスにおいても酸化物の溶湯汚染を防ぐことにつながると考えられる。このように本研究課題の成果は、不燃性Mg合金を設計する上で重要なthermal barrier型酸化皮膜の形成条件を解明という学術的意義やMg合金の社会実装の促進という社会的意義に資するものであると考えられる。
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