研究課題/領域番号 |
21K04702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
津崎 兼彰 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, フェロー (40179990)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 構造材料 / 水素脆化 / 粒界破壊 / ミクロ組織制御 / Ni合金 |
研究開始時の研究の概要 |
油井管用Ni-20%Cr合金の水素脆化を対象として、代表者による直近の事前検討成果から生まれた独自の学術的な「問い」:(1)粒界破壊き裂は連続的に成長するのではなく、不連続成長するのではないか?;(2)粒界への転位パイルアップを抑制できれば、そして粒界破壊を抑制できれば、水素脆化を防げるのではないか?の二つに応えるための3年間の実験研究を遂行する。問い(1)は、シリアルセクショニング法と最新のラボ用X線CT法によって粒界破壊の三次元像を取得することで実証する。問い(2)には、代表者の得意手法である温間圧延プロセスによって結晶粒内へ転位セル組織を均一導入すると共に粒界形状を制御することで達成する。
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研究実績の概要 |
【研究計画の概要】油井管用Ni-20%Cr合金の水素脆化を対象として、代表者による直近の事前検討成果から生まれた独自の学術的な「問い」:(1)粒界破壊き裂は連続的に成長するのではなく、不連続成長するのではないか?;(2)粒界への転位パイルアップを抑制できれば、そして粒界破壊を抑制できれば、水素脆化を防げるのではないか?の二つに応えるための3年間の実験研究を遂行する。 問い(1)は、シリアルセクショニング法と最新のラボ用X線CT法によって粒界破壊の三次元像を取得することで実証する。問い(2)には、代表者の得意手法である温間圧延プロセスによって結晶粒内へ転位セル組織を均一導入すると共に粒界形状を制御することで達成する。 【研究実績の概要】 問い(1)に関して:前年度に引き続き、ラボ用X線CT法を用いた粒界破壊の三次元像観察およびき裂近傍のミクロ組織のSEM-EBSD法による観察を行い、本合金の水素脆化粒界破壊が不連続に起こることを示す結果を得た。 問い(2)に関して:前年度に作成した温間圧延材(厚さ9mm)のミクロ組織を観察し、期待したような粒界形状と粒内下部転位組織が導入されていることを確認した。さらに温間圧延前の容体化処理材(厚さ20mm)および温間圧延材から、引張試験用の円柱状平滑試験片を作成した。作成した引張試験片の半数については、高温高圧100MPa水素ガス中に長時間暴露し、試験片中に均一に水素を導入した。また、水素ガスを導入しない未チャージ材について引張試験を行い、応力-ひずみ曲線を取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験は計画通りに進捗している。研究目標達成のカギである「温間加工による組織制御」について、期待通りの粒界形状組織と粒内下部転位組織が導入できたことが大きい。さらに、実験に必要な数の引張試験片を作成して、これら高温高圧水素ガス中での水素暴露も年度内に完了できた。関連論文1報、口頭発表5件と活発な成果公開を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進行しており、当初計画通りに研究を進める。研究のさらなる推進としては、水素脆化を克服する新しいプロセス手法として代表者の得意手法である温間圧延プロセスの有用性をアピールするために、その適用例の拡大を行う必要がある。このため、本研究で遂行中の耐水素脆化特性とは異なる材料課題で温間圧延プロセスを適用する研究提案を行い、日本鉄鋼協会からの研究助成を獲得した。
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