研究課題/領域番号 |
21K04714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
今井 欽之 京都先端科学大学, 工学部, 教授 (70566695)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | KTN / 電気光学効果 / 光偏向器 / レーザースキャナ / 誘電特性 / 屈折率変化 / 蓄積電荷計測 / 光スキャナー |
研究開始時の研究の概要 |
レーザー加工にも用いられる光スキャナーはガルバノミラーなど機械式が主流であったが、近年、電気光学結晶 (電界で屈折率が変化する結晶)を用いた新型スキャナーが開発された。可動部がなく圧倒的に高速だが、解像点数の低さが問題であった。本研究は、材料であるKTN結晶の屈折率変化量を現状の0.001台から0.01まで改善し、これによってこの問題の解決を図る。このため、相転移の発生する温度領域の付近で起こる非線形な電気特性を活用する。これにより、3Dプリンタを含むレーザー加工・造形に質的な変化をもたらす。
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研究成果の概要 |
KTa1-xNbxO3 (KTN)結晶の電気光学効果(電界印加で屈折率が変化する現象)を用いた光スキャナは、従来のデバイスよりも圧倒的に高速であり、レーザー加工を革新的に高性能化する可能性を秘めている。偏向角が小さいことが課題であり、屈折率変化量Δnの飛躍的増大のため、本研究では誘電特性の検討を行った。市販のKTN結晶の多くにはLiが添加されているが、本研究により、Liの添加量を少なくすることで、格段に高い誘電率が得られ、さらにLiを多く含むものと同様に電界に誘発された相転移が起こり、分極が急増することが確認された。これより、Li添加量が少ないKTNでΔnが飛躍的に増大することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光スキャナは、レーザー光線の向きをスキャンするデバイスである。レーザー加工を含む光を用いる造形技術において威力を発揮するが、加工精度向上や加工品内部の歪の低減のため、スキャンの高速化が期待される。従来の機械式デバイスでは高速化に限界があることから、非常に高速な電気光学効果を用いたスキャナが注目されている。ただし、偏向角が小さいことが課題であり、解決のためには材料であるKTN結晶の屈折率変化Δnの増強が必須である。本研究の成果は、この屈折率変化量を現状よりも一桁以上改善できることを示唆していて、この光スキャナの偏向角を一桁近く改善し、レーザー加工技術に大きな革新をもたらす可能性を示している。
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