研究課題/領域番号 |
21K04736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
奥村 圭二 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50204144)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ネオジム磁石 / 高温溶媒抽出法 / ビスマス / リサイクル / 高温溶媒抽出 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、ネオジム磁石のリサイクル法として湿式処理と乾式処理の2種類について研究されている。湿式処理は強酸などを用いた多段のプロセスであるため、廃液の量が多くなる。そのため国内では廃液の処理に対する環境コストが大きくなってしまう問題を抱えている。そこで湿式処理の抱える問題点を解決するために、廃液を出さない乾式処理によるリサイクル法を確立することが必要である。本研究では、第二相溶媒金属としてBiを選定して実験を行う。NdはBi中へ濃縮した後、高温蒸留処理または湿式処理によりNdを分離回収する。本プロセス内のBiは再利用可能で、残渣のFeは鉄源として再利用できる。
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研究実績の概要 |
電気自動車の普及により需要が増大すると予想されるNdやDyのような希少金属の安定供給を 目指して、ネオジム磁石からの新たな回収技術を開発する。従来、リサイクル法として湿式処理で行われているが、強酸などを用いた多段のプロセスであるため、廃液の量が多くなり、そのため国内では廃液の処理に対する環境コストが大きくなってしまう問題を抱えている。一方、廃液を出さない乾式処理によるリサイクルが着目されている。乾式処理の中で、溶融金属を用いた分離回収法に着目し、溶融金属と希土類金属による親和性から化合物を形成することでネオジム磁石中から希土類金属を抽出、回収するものである。本研究では第二相溶媒金属としてBiを用いた方法を提案し、従来検討されているMg、Ag、Cuなどよりも低価格で安全性が高く、エネルギーコストを抑えることができる。 令和4年度は、処理温度の低温度化を目指して新たにAlを添加して実験を行った。アルミナるつぼに試料を装入し、電気炉内で、アルゴン雰囲気中で600℃~900℃の間の所定の温度および時間で保持して反応させた。実験後の試料を切り出し、樹脂に埋め込んで卓上研磨装置で研磨してSEM観察に供した。Alを添加することによりFe-Al合金として試料の融点を下げることが可能となった。試料は、SEM観察及び SEM-EDX観察によりBi、Nd、Fe、Al及びOの組成マッピングを行うことで、NdがBi中に回収されたかを確認した。その結果、NdはBi中に90%以上回収できていることが分かった。またX線構造解析を行うことで、実験後の試料がどのような状態(化合物または固溶体)で存在しているか確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 令和4年度は、処理温度の低温度化を目指した実験を行った。電気炉に試料を装入したるつぼを入れ、アルゴン雰囲気中で600℃~900℃の間の所定の温度および時間で保持して反応させた。Alを添加することによりFe-Al合金として試料の融点を下げることが可能となった。試料は、SEM観察及び SEM-EDX観察によりBi、Nd、Fe、Al及びOの組成マッピングを行うことで、NdがBi中に90%以上回収されたのを確認した。またX線構造解析を行うことで、実験後の試料中にNdがどのような状態(化合物または固溶体)で存在しているか確認した。固液界面近傍のNdの濃度分布より、反応の有無および拡散について速度論的に考察した。Fe-Al中にBiが、またBi中にFeが分散しているため、溶解時に十分分離するように攪拌条件および保持時間が重要であることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、反応温度を低温化するために、Znを添加してFeをZn中に溶解させることを考える。アルミナるつぼ中にZnを添加した試料を装入し、アルゴン雰囲気下、700~900℃で所定時間反応させる。反応温度および反応時間と抽出率の関係を調べる。また、スケールアップ実験を行う。試料を100g程度用いて、同様に実験を行い解析する。反応温度、反応時間、混合比、粒子径等、工業化に向けて最適な条件を調査する。さらに、Ndを抽出したBiを塩酸でNdを浸出させ、浸出液をICP分析してNdの回収率を測定する。また、Biを真空蒸発させて、Ndを回収する真空蒸留実験も検討する。真空計を接続した真空チャンバー内で、真空ポンプで排気しながら1000℃~1500℃に所定時間保持し、Biのみを蒸発させる。蒸発したBiは析出トラップで回収する。試料の処理前後の質量変化およびBiの回収量より回収率を求める。また、残差についてはSEM観察及びSEM-EDX観察によりBi、Nd、Zn、Fe及びOの組成マッピングを行い、組成を調べる。 ネオジム磁石中のDyについても同様に回収実験を行い、Nd回収との比較を行う。回収率の向上のための条件を明確にする。
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