研究課題/領域番号 |
21K04741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
伊藤 公久 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10159866)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 耐火物 / 溶損現象 / 高温プロセス / 粒子法 / 乾燥破壊 / 溶解モデル |
研究開始時の研究の概要 |
鉄鋼・非鉄産業をはじめとした,様々な高温プロセスにおいて,耐火物は必要欠くべからざる材料であるが,溶損や破壊をもたらす操業条件の抽出と,寿命を最大にする最適な使用方法については,経験によるところが大きく,シミュレーションによるアプローチはほとんどなされていないのが現状である。本研究では,耐火物の長寿命化に資する基礎的研究として,耐火物の溶損と破壊現象について,精度の高い予測モデルの開発を目的として,①スラグ-メタルの流動に伴うスラグライン近傍での溶損挙動,②キャスタブル(不定形)耐火物の破壊現象の二つについて,粒子法を用いたシミュレーションを実施し,実験による検証を経てその精度を高める。
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研究成果の概要 |
耐火物の溶損と破壊現象のシミュレータ開発を行い,以下の結果を得た。1)粒子法を用いた溶損シミュレーションプログラムを開発し,検証用コールドモデル実験と結果と比較した結果,実験結果を十分に再現できることを確認した。さらに,鉄るつぼ中に溶解したFeO系スラグにCaO円柱を浸漬回転させた溶解実験のデータ解析に,シミュレータを適用し,良好な結果を得た。2)粒子法を用いたキャスタブル(不定形)耐火物の乾燥破壊現象シミュレーションプログラムの開発を行った。高温乾燥セルによる検証実験と比較した結果,開発したシミュレータは高温におけるCaCO3-水系ペーストの亀裂進展を十分に再現することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
耐火物は様々な高温プロセスで用いられており,特に鉄鋼産業における使用量は莫大な量に上るため,耐火物の溶損防止や高寿命化を実現するためのツールとして,本研究成果は,省資源・省エネルギーに対して,大いに貢献できるものと考える。また,耐火物溶損プログラムの本体は,物質移動論に立脚した固体溶解シミュレータなので,耐火物に限らず,様々な固体物質の溶解挙動を3Dで再現できる。このため,その応用範囲は限りがない。また,ペーストの乾燥破壊現象は,元々複雑系物理の代表的な問題として,様々な研究者によって取り上げられており,本研究の成果は基礎的分野にも波及効果が期待される。
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