研究課題/領域番号 |
21K04746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
村上 賢治 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (10272030)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 温度応答性高分子 / 吸着剤 / ヒドロゲル / 分子篩 / 有機無機複合体 / メソポーラスシリカ |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸などの比較的サイズの大きい分子を短時間で効率よく分離するための吸着剤を開発することを目指す。そのために,ここでは,温度応答性高分子ヒドロゲルを用いる。重合度と架橋度を上手く調整すれば,このヒドロゲルの3次元網目の空隙サイズは溶液温度に対して可逆的かつ連続的に変化すると考えられる。そこで本研究では,このヒドロゲルをメソポーラスシリカの外表面に付加して,温度によって目開きを自由に変えられる分子篩吸着剤を合成すること,およびこの吸着剤を用いた膜分離装置を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では,温度応答性高分子と架橋剤からなるヒドロゲルをメソポーラスシリカに被覆することによって,温度に応答して吸着可能な分子のサイズを変えることができる吸着剤の開発を目的とした。吸着剤の表面には,メタクリロイル基を付加することで,そこを足場として温度応答性高分子ヒドロゲルを固定化した。モノマー量や架橋剤を増やすと,ヒドロゲル固定化量は34から67 wt%まで増加した。副次的な効果として,この吸着剤は水温を上げると凝集するため,沈殿回収が容易となった。メチルオレンジ吸着量は温度上昇に伴い単調に減少したことから温度によって吸着可能な分子サイズを制御できる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
種々の物質が混合した系から目的とする物質を取り出したり,環境汚染物質を除去したりするために,吸着剤が良く使用されている。吸着剤には,高吸着容量,高選択性,高速吸着などの性能が求められる。このような要請に応える方法は幾つか提案されてきたが,いずれの方法も吸着対象となる物質が変われば,吸着剤の構造や性質を変えざるを得ないのが現状であった。一方,本研究では,その構造や性質を変えることなく,単に操作条件である水温を変えるだけで,選択性を変えることができるという吸着剤開発の手がかりを得ることができたという点で非常に意義深い。
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