研究課題/領域番号 |
21K04756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
船造 俊孝 中央大学, 理工学部, 教授 (60165454)
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研究分担者 |
孔 昌一 静岡大学, 工学部, 教授 (60334637)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 拡散係数 / 混合流体 / 二酸化炭素 / 粘度 / 金属錯体 / 推算式 / 測定 |
研究開始時の研究の概要 |
超臨界二酸化炭素は天然有用物の抽出、金属原子の微細構造内へのコーティングや埋め込み、ポリマー中への担持など多方面の工業分野に用いられている。これらプロセス設計や最適化には種々の物性値を必要とするが、なかでも粘度と拡散係数は必須である。超臨界二酸化炭素など1成分の高圧流体の粘度や単成分中への拡散係数データは充実してきたが、高圧混合流体についての粘度や拡散係数データは非常に少なく、測定条件範囲も狭い。そのため、精度の高い粘度および拡散係数の有効な推算方法は確立されていない。 本研究は高圧混合流体中への溶質の相互拡散係数測定と高圧混合流体粘度の有効な推算法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
測定装置の健全性の確認と、超臨界二酸化炭素中および有機溶媒中における金属錯体の拡散係数データの蓄積のため、前年度までCr(acac)3、Pt(acac)2の相互拡散係数を測定してきた。これまで超臨界条件は臨界点近傍を除き、種々の物性は一律の挙動を示すと考えられていたが、gas-likeとliquid-likeの各領域で拡散係数の挙動が異なることを示した。本年度は、Zr(acac)4の相互拡散係数を超臨界二酸化炭素中ではchromatographic impulse response(CIR)法により、有機溶媒中ではTaylor法を用いて測定した。これまで、本研究グループは配位子数1~3までの各種acac(acetylacetonate)金属錯体の拡散係数を測定してきたが、配位子数4についての測定データの報告がなく、拡散係数に及ぼす配位子数の影響を調べるため、Zr(acac)4について測定した。また、混合溶媒については、二酸化炭素+デカンの全組成領域(有機溶媒のモル分率0~1)での高圧混合流体中におけるvitamin K3の拡散係数をTaylor法により測定した。また、拡散係数の推算式の開発には混合溶媒の粘度の値が必要であるが、混合溶媒の粘度データが少なお。特に、CO2+無極性の直鎖炭化水素類については、測定値がある程度報告されているが、アルコールなどの極性溶媒とCO2との混合溶媒の組成全域のデータがほとんどないため、CO2+ethanolの粘度を充填層の入口と出口の圧力損失からErgunの式を用いて決定した。圧力損失から粘度を測定する方法では層流流れでの測定が一般的であるが、層流域では圧力損失の値が小さく測定可能な領域が狭い。そこで本研究では充填層の圧力損失式のErugun式を用い、式中に含まれる2定数を温度、圧力の一次関数として表して粘度を決定した。
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