研究課題/領域番号 |
21K04760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山脇 浩 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10358294)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 高圧力 / 液体粘性 / 水晶振動子 / 密度圧力依存性 / 高圧液体 / 密度測定 / 粘度 |
研究開始時の研究の概要 |
水晶振動子センサーにより高圧力下での粘度と密度を求める手法を開発し、バイオディーゼル燃料の主成分である脂肪酸メチルエステル類等に適用して、高圧下での物性(粘度、密度など)を評価する。常圧下で報告されている水晶振動子表面に液体をトラップするための加工を施すことで密度測定を行う手法を高圧力下での液体密度の測定手法としての適用を試みる。少量サンプルで粘度と密度の圧力依存性を同時計測できるようにすることを目標とする。
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研究実績の概要 |
本課題では、水晶振動子センサーにより高圧力下での粘度と密度を求める手法を開発し、バイオディーゼル燃料の主成分である脂肪酸メチルエステル類等に適用して、高圧下での物性(粘度、密度など)を評価することを目的としている。 昨年度、水晶振動子の共振ピーク幅の変化から、ブロモベンゼンに対して293, 313, 333 Kにおける400MPaまでの粘度の圧力依存性を測定したが、今年度 これらの測定の結果をまとめ、論文として発表した。 過去の文献で、水晶振動子表面に液体をトラップする凸凹を付け、ここにトラップされた液体が振動子の振動に追随して動き、付加質量として働くことが知られている。今年度は、溝を表面加工した水晶振動子と、表面加工していない水晶振動子の間の共振周波数の差から、密度を求めることを まず試みた。比較的粘性の高い脂肪酸エステル類では共振ピークはブロードであり、高圧セル中では信号強度も弱いため測定自体 困難であることがわかった。この手法ではトラップされる液体の量が少なく、付加質量によるピークシフト量も誤差による変動範囲に収まってしまう。そこで、密度の圧力依存性は、もっと直接的に試料体積の変化量から求める手法を試みた。ピストンシリンダー高圧発生装置のピストンの進みから体積変化を求め、テフロン試料セル自体の変形量を参照液体を用いて算出し補正することで、±1%程度の不確かさで密度を求めることができた。この手法によりラウリン酸メチルとリノール酸メチルの密度の圧力依存性を求めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高圧密度測定を粘度測定に用いるのと同じ装置で、試料体積の変化量から密度を求めることができた。水晶振動子による粘性(密度と粘度の積)測定と組み合わせることで、高圧下での液体粘度と密度を求めることができるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
水晶振動子表面に液体トラップのための溝を形成する方法ではうまくいかなかった。しかし、常圧における先行研究でメソポーラス構造を水晶振動子表面に形成して液体トラップする方法が報告されており、今年度は この方法での液体高圧密度の測定を試みる。また、昨年度見出した試料体積の変化量から密度を求める手法を実際のサンプルに適用していく。まずは、オレイン酸に対して水晶振動子のコンダクタンススペクトル測定により密度と粘度の積を求める。さらに、テフロン試料セルに封じたオレイン酸の加圧による体積変化を求めることで密度の圧力依存性を求める。この両者から高圧下での液体粘度と密度を得る。このようにしてデータの取得が可能かどうか、文献値との比較などにより手法の妥当性を評価していく。
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