研究課題/領域番号 |
21K04761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
藤井 達也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50711800)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 極性スイッチ / マイクロ混合 / 二酸化炭素 / 吸収 / アミン / 速度論 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、二酸化炭素の反応吸収・脱離をトリガーとした溶媒の極性スイッチ(非極性と極性の可逆的変換)が注目され、バイオマスの多成分抽出等への応用が期待されている。しかし、従来のプロセスは主にバッチで、高処理量化が課題であり、高速・連続化が求められる。そこで、本研究は、気液反応を伴う極性スイッチの連続化へ向け、プロセスの高速化を目的とする。そのために、マイクロ混合による界面積増大に伴う物質移動の促進と、溶媒選択による反応性制御を組み合わせてアプローチする。これにより、極性スイッチという気液二相プロセスの連続化へ向けた技術基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
近年、二酸化炭素の反応吸収・脱離をトリガーとした溶媒の極性スイッチ(非極性と極性の可逆的変換)が注目され、バイオマスの多成分抽出・分離等への応用が期待されている。しかし、従来のプロセスは主にバッチで、高処理量化が課題であり、高速・連続化が求められる。そこで、本研究は、気液反応を伴う極性スイッチの連続化に向けて、プロセスの高速化を目的とした。そのために、マイクロ混合による界面積増大に伴う物質移動の促進と、溶媒選択による反応性制御を組み合わせてアプローチしている。これにより、極性スイッチという、気液二相プロセスの連続化に向けた技術基盤を構築することを目指し研究を進めている。 これまでに、マイクロ混合による二酸化炭素吸収の高速化について、原理確認を行うために、二酸化炭素の吸収に適した溶媒の選定を行い、混合状態が適切と思われる流動状態(乱流条件)となるような条件を実現するための条件検討、新規フローリアクター装置設計を行ってきた。2022年度は、追加で必要となる機器・部材等の調達、溶媒特性の事前検討、実験装置を作製する実験環境の整備(プロセスの安全性向上を含む)等を行い、装置の開発を進めた。本年度は、昨年度までに検討した溶媒特性を基に、混合部、CO2吸収部、ならびに圧力制御部の詳細設計(配管径・サイズ等)およびその設計に基づく各部の作製を行い、装置全体を接続し装置を全体として完成させた。加えて、実際の運転条件で、圧力制御しながら気体・液体を送液できることを確認した。今後、本装置によりマイクロ混合による反応吸収促進効果の原理確認を行い、流動状態と吸収速度の関係を明らかにする。さらに、機械学習等を組み合わせて効率的に最適化を進めることを引き続き検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
装置作製を進める中で、設計変更、新規部品調達を行い装置の作製が遅れた。装置は完成したものの本試験に到達できなかったため遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
装置自体は完成したため、マイクロ混合による二酸化炭素吸収の高速化の原理確認を行うとともに、気液流量やマイクロ混合デバイスの種類、混合後配管の内径、今後後の滞留時間等の中からパラメータを選択し、条件依存性を調べる。これによりスイッチ速度を最適化を進める。機械学習と組み合わせた実験計画法を取り入れるなど、効率的なデータ取得を行うことで、解析に必要なデータの収集を加速することを検討する。
上記原理確認が完了すれば、研究実施計画に沿って、逆反応である二酸化炭素を脱離するプロセスについても順次検討を進め、最終的には連続プロセスにより連続的に極性スイッチができるようなプロセスの開発を目指す。
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