研究課題/領域番号 |
21K04774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
田邊 真 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80376962)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 還元反応 / 合金 / デンドリマー / 銅 / ハイブリッド触媒 / 酸化反応 / 酸化変換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,酸化還元活性を示す「銅」,C-H結合活性化に優位な「貴金属」,低原子価の化学種が安定な「典型金属」で構成される三元素「ハイブリッド触媒」を用いて,分子状酸素で酸化反応を達成するグリーンケミストリーを指向した酸化変換触媒の開発を目的とする.ハイブリッド触媒を構成する「原子組成比」に応じて,幾何構造および電子状態が顕著に異なるため,触媒機能が顕著に変動するだけでなく,特定の組成比をもつハイブリッド触媒は飛躍的に触媒活性が向上する「黄金原子比」の存在も充分に期待される.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、安価で酸化還元活性な「銅(卑金属)」を軸として「貴金属」と「典型金属」で構成される多元素クラスター触媒の開発である。紫外可視分光光度計を用いて、芳香族ニトロ化合物の還元反応を簡便に追跡実験をおこなうことができる。三元素サブナノ触媒Pt4Sn8Cu16は、二元素触媒Pt12Sn16、Pt12Sn16、単元素触媒Pt28、Cu28Ox、Sn28Oxと比較して、最も短い時間で還元反応が進行した。最高活性を示した三元素触媒は、原料のニトロ化合物を再添加してもほぼ同じ短時間で原料が95%以上の転化率で触媒反応が進行し、5回の繰り返し利用が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義として、複数元素で構成される多元素ハイブリッド触媒は各元素の特長が色濃く示されるため、その特徴を活用した触媒ナノ粒子の設計指針を見出したことである。最近、5種以上の元素が混在するハイエントロピー合金ナノ粒子は、合成時の熱的安定性が触媒活性を低下させること、各元素の役割がほとんど理解できないこと、類似した元素で構成された合金粒子の特性を効率的に活かせないことなど、本研究で対象とする多元素ハイブリッド触媒とは、その特異性が異なる。貴金属、卑金属、典型金属の異なる化学的性質をもつ元素をランダムに混在させたサブナノ粒子の触媒設計を確立した研究成果は、社会的意義にも意味がある。
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