研究課題/領域番号 |
21K04779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
陶山 寛志 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (90305649)
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研究分担者 |
林 寛一 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (30372139)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 架橋樹脂 / ビニロガスウレタン / リサイクル / 光塩基発生剤 / 高分子分解 / 光分解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では加熱で組み換え可能な共有結合から成る架橋樹脂の光分解を検討する。架橋樹脂に光反応性分子を共存させておき,使用中は加熱により共有結合を組み換えて架橋構造が再構成できる状態を保ち,使用後は光照射で発生する低分子が組み換えに割り込んで架橋構造が分解されるような材料系を考える。光反応性分子としては単官能低分子アミンやアルコールが生成するものを選び,必要に応じて分解できる架橋樹脂材料系を提案する。 本研究の概念を用いた架橋樹脂系は様々なプロセスと組み合わせることにより,ドラッグデリバリーなどのメディカル分野,感光性材料や形状記憶などの先端機能材料分野での新たな材料としての展開が可能である。
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研究実績の概要 |
架橋樹脂は優れた機械的・熱的特性を有するが,その優れた性質のゆえに著しく分解が難しく,使用後の廃棄やリサイクルが困難,という問題点がある。そのため,架橋樹脂分解技術の開発も重要な課題である。近年,何らかの刺激や特定条件で組み換え可能な共有結合で架橋樹脂を合成する試みが注目を集めている。特にLeiblerらが提案した“Vitrimer”のような,架橋樹脂を加熱で自由に加工と再生する取り組みが注目されている。しかし加熱による組み換えだけでは架橋構造は保持され,樹脂分解には至らない。そこで本研究では,使用後は熱とは別の,光刺激を用いることで,組み換えサイクルから抜け出すことができる系の構築を目指している。 今年度も光照射で発生するアミンを用いた架橋樹脂の分解に取り組んだ。前年度に引き続き,Vitrimerの一つビニロガスウレタン架橋樹脂のモノマー,1,4-ピペラジンビスアセトアセタミドの精製,およびこの樹脂に添加する光機能性物質としての光塩基発生剤の高効率合成に取り組んだ。また,できた架橋樹脂の粉砕方法を工夫し,適切な成型方法を検討した。樹脂は予想以上に着色があり,光が内部に届きにくかった。今後も適切なサンプル形成方法の模索を続け,反応率の向上を目指す。 さらに,オキシムカルバマート系ウレタン架橋樹脂を合成した。この樹脂は130℃程度の加熱で組み換えすることが知られており,組み換えが光照射の有無で影響を受けることを,樹脂の粘弾性パラメータ測定を通じて確かめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新大学移行に伴い授業内容を組み換えたことで予想以上に時間がとられ,研究時間を圧迫した。
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今後の研究の推進方策 |
評価しやすく,かつ光反応を起こしやすい架橋樹脂のサンプル形成方法を確立し,ビニロガスウレタン架橋樹脂/光塩基発生剤混合系,および光アルコール発生分子/エポキシ架橋系に適用する影響をさらに詳しく解析する。また,オキシムカルバマート系のポリウレタン樹脂の加熱組み換えについてもさらに詳しく検討を進めていく。
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