研究課題/領域番号 |
21K04784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前田 義昌 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30711155)
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研究分担者 |
田中 剛 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20345333)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 微細藻類 / オメガ3脂肪酸 / 人工染色体 / セントロメア / 自立複製配列 / 代謝改変 / 自律複製配列 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、単細胞光合成生物である微細藻類をホスト生物として用い、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸を効率的に、持続可能性の高い方法で生産することを大目的とする。そのために、微細藻類のオメガ3脂肪酸合成経路を大規模に改変するための遺伝子組み換えツールである人工染色体を構築する。人工染色体の構築に必要なDNA配列は、ホスト生物となる微細藻類の染色体構造の解析により特定する。
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研究成果の概要 |
本研究では、珪藻の染色体複製・分配に関わる自立複製配列とセントロメアを特定し、多数の遺伝子を一括導入可能な人工染色体ベクターを開発することで、ω3脂肪酸の生産効率の飛躍的向上を目指した。まず海洋珪藻の染色体レベルにアセンブルしたゲノムデータから、GC含量に関する特徴量を基にセントロメア領域を推定し、ベクターの接合伝達法と組み合わせて、その機能評価を行った。接合伝達法によりω3脂肪酸合成酵素遺伝子を珪藻に導入し、ω3脂肪酸代謝経路の拡張にも成功した。さらに、ChIP-Seq法に基づいて自立複製配列を特定した。本研究は、微細藻類において自立複製配列を実験的に特定した初めての研究である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全世界の養殖魚の生産は天然魚捕獲量よりも生産量が高く、食糧供給の一翼を担う重要な産業である。しかし、現在その持続可能性が危ぶまれている。それは、養殖魚の成育に必須な飼料添加物であるω3脂肪酸の供給源が魚油であり、「魚で魚を育てる(魚がいないと魚を育てられない)」事に起因している(フィッシュオイルジレンマ)。そのため、魚油以外の持続可能性の高い供給源が求められている。本研究では珪藻細胞で安定的に複製・分配される人工染色体開発に必要なDNA配列を特定すること、珪藻のオメガ3脂肪酸代謝の改変にも成功し、将来的なオメガ3脂肪酸の安定供給に向けた技術開発に必要な基礎的知見を獲得することができた。
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