研究課題/領域番号 |
21K04801
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
二見 翠 (北添翠) 岡山理科大学, 生命科学部, 准教授 (10467748)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カチオン化タンパク質の導入経路 / エンドサイトーシス / Syndecan-4 / エンドサイトーシス阻害剤 / タンパク質の化学修飾 / タンパク質細胞導入 / 生細胞の機能制御 |
研究開始時の研究の概要 |
「タンパク質を化学修飾によりカチオン化することで生きた動物細胞内に導入する技術」において、詳細が明らかになっていない導入原理を解明することが本研究の目的である。本技術は細胞内のタンパク質機能の調査や、細胞機能の中核となるタンパク質を導入することで細胞の機能制御に応用できる。導入原理を明らかにすることで適正かつ効果的な活用、更には技術改良の足掛かりとなる。
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研究実績の概要 |
本研究は申請者が開発してきた「タンパク質を化学修飾によりカチオン化することで生きた細胞内に導入する技術」において詳細が明らかになっていない導入原理を解明することを目的としている。初年度は、各種エンドサイトーシス阻害剤で処理した細胞に対する導入効率を調べることでカチオン化タンパク質の導入経路を調べた結果、クラスリンエンドサイトーシスが重要であることが分かった。 2年目はカチオン化タンパク質の導入に関わる細胞表面タンパク質を明らかにすることを目標に研究を行った。その結果、プロテオグリカンを構成するタンパク質の一つであるSyndecan-4とのかかわりが浮上した。siRNAを用いてSyndecan-4の発現が低下細胞にカチオン化タンパク質を導入したところ、その導入効率が低下するという結果が得られた。このことから、カチオン化タンパク質の細胞導入にSyndecan-4が関わっていることが考えられる。Syndecan-4はクラスリンエンドサイトーシスとの関係性も報告されていることから、初年度絞ったカチオン化タンパク質の導入経路との繋がりが考えられる。カチオン化タンパク質の導入条件として培地への血清添加が必須だということも今年の研究からわかっており、血清中のサイトカイン等がSyndecanに集積されてレセプターに結合することでクラスリンエンドサイトーシスが誘導され、共にSyndecan-4に結合していたカチオン化タンパク質が細胞名に取り込まれるのではないかと考察している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載した通り、2年目の研究はカチオン化タンパク質が結合する細胞表面タンパク質を探索すること目標に昨年度の研究を行った。 その結果、Syndecan-4について着目し、siRNAを用いた実験によりカチオン化タンパク質の細胞導入効率がSyndecan-4の発現によって影響を受けることを確認した。 このことから2年目の研究目標はおおよそ達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
カチオン化タンパク質を複数回導入した場合、初回が最も導入効率が高く、その後低下することがわかっているが、このことはカチオン化タンパク質の導入に関わる分子が消費されること、もしくは局在が変化してしまうことが理由として考えられる。 2年目までの研究から、カチオン化タンパク質の導入に細胞膜タンパク質であるSyndecan-4が関わっていることが分かった。このことから、カチオン化タンパク質の導入によって発生するSyndecan-4や、Syndecan-4との相互作用が考えられるサイトカインのレセプターの局在の動きを蛍光抗体免疫染色法や蛍光タンパク質融合膜タンパク質の発現細胞を作ることによって調べる。 これらのタンパク質の動きがカチオン化タンパク質の導入によってどのように変化するのか、またこれらの変化が可逆的なのか、可逆的であればどのくらいの時間経過で回復するのか調べ、これらの情報をタンパク質連続導入における条件等に役立てたい。
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