研究課題/領域番号 |
21K04803
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
渡邊 秀樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (90422089)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 抗体医薬品 / 品質分析 / 進化分子工学 / 人工タンパク質 / バイオセンサー |
研究開始時の研究の概要 |
抗体医薬品の品質管理に適した迅速かつ精密な立体構造分析技術の革新が、産業界・規制当局の双方から求められている。この要請に応えるため、我々は正常な立体構造をもつ抗体には全く結合を示さず、酸、熱、分解などにより変性した抗体にのみ特異的に結合する人工タンパク質プローブを開発した。本技術は新規の抗体品質管理技術として国内外から関心を集めているが、変性構造の特異的な認識機構の解明が未解決の課題として残されていた。本研究では、抗体の変性構造を反映したモデル分子を作製し、X線結晶構造解析によって変性構造認識機構を解明する。これにより分析対象を原子レベルで特定する高分解能の立体構造分析技術として確立する。
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研究実績の概要 |
本計画では、これまで開発してきた抗体の変性構造に特異的な人工タンパク質プローブAF.2A1の変性構造認識機構をX線結晶構造解析および分子間相互作用解析によって解明し、本分析技術を高分解能の抗体医薬品高次構造分析技術として確立することを目標とする。令和4年度は、前年度までに作製した変性構造を模倣する抗体ドメインの断片化変異体単独、およびAF.2A1との複合体について結晶構造解析を進めた。結晶化スクリーニングの結果、AF.2A1複合体について単結晶の取得に成功し、高エネルギー加速器研究機構にて分解能1.7ÅでX線回折データを収集した。分子置換法によって位相決定し、AF.2A1に相当する電子密度を確認した。断片化変異体単独結晶については、変性構造の構造不均一性に伴う結晶化の困難さもあり複合体結晶に比べて結晶成長が遅れているものの、沈殿剤・緩衝液のスクリーニングに加え蒸気拡散・結晶成長の環境条件を最適化することで微結晶が得られており、構造解析に足る単結晶の取得へ向けて、さらなる条件最適化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本計画の基盤である結晶構造解析が当初の計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も当初計画通りに研究を進める予定であり、変性構造を模倣した断片化変異体とAF.2A1の複合体結晶構造の精密化を完了するとともに、断片化変異体単独結晶の構造解析を進め、本計画の目標である変性構造認識機構の解明を原子レベルで明らかにする。
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