研究課題/領域番号 |
21K04807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 哲也 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (80623735)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フラックス法 / 窒化ホウ素 / データ駆動科学 / 結晶成長制御 / 結晶成長 / データ駆動化学 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
溶液結晶成長手法の一種であるフラックス法は,無機化合物の結晶外形変化が可能と知られるが,制御して得ることは難しい。これは,結晶成長において考える影響因子が膨大で現象理解が困難なため,育成指針が乏しいからである。 そこで本研究では,フラックス法結晶成長の影響因子を理解したうえで,結晶外形変化を導く成長モデルを構築する。実験では第一原理計算と機械学習による影響因子候補の提案・分類に取り組むとともに,結晶外形変化を実験実証して因子分類を確定させる。 成長モデルができれば,h-BNの結晶外形制御の指針が立てられる。また,他の無機化合物の高温溶液中での結晶外形変化の学理構築の足掛かりにできる。
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研究成果の概要 |
本研究ではデータ駆動解析により,六方晶窒化ホウ素(h-BN)のフラックス法結晶成長における低アスペクト比化に資する因子の作用・非作用の分類に取り組んだ.この結果,フラックス由来の物性値のうち,カチオン―アニオン結合距離が作用することがわかった.このほか,h-BNとフラックス由来イオン間の吸着エネルギーの寄与を調べたところ,フラックス由来アニオンの吸着方位に依存する吸着エネルギー異方性が,結晶アスペクト比変化に寄与することがわかった.h-BNへのフラックス由来アニオンの寄与は,結晶成長中のh-BN側面キャッピング効果とそれによるab面方向の結晶成長抑制をともなう成長機構として説明可能である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が提示した,フラックスによる溶質表面吸着の仮説は,結晶成長におけるアスペクト比が何によって決まるかを理解するうえでの重要な指針として,学術的意義がある。加えて本研究の重要因子に関する知見は,h-BNのみならず様々な層状化合物の結晶成長予測モデル構築に役立ち,定量的な結晶外形制御探索に繋がる展望が拓ける.結晶外形は,材料性能と密接にかかわりがある.例えば,h-BNは高性能な熱伝導材料として知られ,低アスペクト比化することで,放熱フィラーの高伝導化・薄膜化・小型化ができる.よって,本知見が,機能性結晶材料の結晶外形を介した高性能化に資する社会的意義がある.
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