研究課題/領域番号 |
21K04810
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
齊藤 結花 学習院大学, 理学部, 教授 (90373307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 紫外顕微分光 / 酸化亜鉛 / ワイドギャップ半導体 / 単一粒子計測 / 励起子 / フォトルミネッセンス / 半導体ナノ粒子 / 単一ナノ粒子計測 / 紫外分光 / 単一ナノ粒子 / 自由励起子 / 光電子変換 / エキシトン |
研究開始時の研究の概要 |
半導体材料において、光-電子エネルギー変換の中核を担うエキシトンの、単一ナノ粒子における振る舞いを調べることが求められている。単一ナノ粒子のエキシトン状態はこれまでにも活発に研究されているが、その知見は一部しか得られていない。従来研究の成果はフォトルミネッセンスを用いた励起状態から基底状態への遷移に関する研究であり、基底状態から励起状態への遷移に関する情報が十分に得られていないためである。そこで本研究では、半導体『単一ナノ粒子』の散乱スペクトル測定から、エキシトンの『光励起過程』に関する知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
申請者らが開発した紫外フォトルミネッセンス(PL)顕微鏡を用いて、個々のワイドギャップ半導体ナノ粒子を評価した。3.4 eVの紫外域にバンドギャップエネルギーを持つZnOナノ粒子を化学合成し評価した。反応の初期段階、中間状態、完全成長それぞれの段階について、粒子の特徴が得られた。個々の粒子測定の結果の統計は、紫外可視吸収分光法やXRDで得られたアンサンブルデータと矛盾しなかった。PL特性は欠陥の種類と欠陥修復プロセスで説明できた。個々のナノ粒子の評価より、溶液中の局所環境の多様性が示された。この成果は、将来の半導体技術に向けた同一ナノ材料の作製に役立つと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体ナノ材料は、電子-光子エネルギー変換システムの媒体として注目されている。特に酸化亜鉛ZnOは、光触媒や太陽電池の構成要素、さらには紫外から可視域の発光素子として広く用いられている。電子、光学材料としてのZnOの特性を調整するためには、形状、結晶化度、欠陥濃度が完全に同一のナノ粒子を作製することで、そのためナノサイエンスの分野では同一のナノ粒子を大量に作製することが急務となっている。単一ナノ粒子測定は、この目標を達成するために不可欠な手段である。本研究では自作の紫外顕微分光システムを用いて、化学反応中の単一ナノ粒子の性質を評価することで、均一ナノ粒子作製の知見を得ることができた。
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