研究課題/領域番号 |
21K04817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28020:ナノ構造物理関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐野 正人 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 客員教授 (40344816)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 同期振動 / 蔵元モデル / 分散 |
研究開始時の研究の概要 |
同期振動というのは、たくさんの振動子が調子を揃えて同じタイミングで振動している状態をいいます。今回、我々は、液体に分散した非常に多くのカーボンナノチューブが同期振動しているのを発見しました。ここでは、そのメカニズムを探るとともに、同調状態にあるカーボンナノチューブ集合体の応用を目指します。
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研究成果の概要 |
界面活性剤と蛍光色素からなる水溶液にカーボンナノチューブ(CNT)を分散させたところ、多数のCNTが自発的に同期振動する様子が蛍光顕微鏡観察された。この動画のパワースペクトル測定により、およそ20Hzに極めて狭い半値幅のピークを検出した。 界面活性剤濃度依存性は非線形振動子理論のKuramotoモデルと非常に良い一致を示した。また、外部振動に同期振動は影響されず、共鳴も起こらなかった。さらに、同期は常にべき関数ノイズを伴った。 これらの結果から、界面活性剤で被覆されていない部分がファンデルワールス力と色素吸着により連結したCNTクラスターが多数存在し、それらの熱力学的振動が同期したと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液中に分散したカーボンナノチューブ(CNT])は熱運動により動くことが可能である。そのような動的なCNTが多数共存した場合、どのようなネットワークができるであろうか。 やや薄い界面活性剤と濃い色素溶液中では、連結部が可変な多数多様なCNTクラスターが生成される。今回観察されたのは、それらの熱運動による振動が同期した現象である。これは可変結合によってネットワーク化されたクラスターの自己組織的挙動である。すなわち、多数のネットワーククラスターから統一された出力が自然に出現する定量的な例であり、脳のニューラルネットワークや生成AIに用いられる技術と類似している。
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