研究課題/領域番号 |
21K04832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
馮 旗 香川大学, 創造工学部, 教授 (80274356)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ナノ複合メソクリスタル / 強誘電性 / 巨大圧電効果 / 巨大誘電効果 / 結晶格子歪み / ソフト化学法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、独自で開発したソフト化学法を用いて結晶方位を揃えた二種類のナノ結晶から構成された強誘電性ナノ複合メソクリスタルを作製し、Lattice Strain Engineering(結晶格子歪みの制御)による高性能圧電・誘電体材料を開発する。さらに機能発現のメカニズム解明により、強誘電性ナノ複合メソクリスタルに適用するLattice Strain Engineeringという新しい学問分野の基礎を構築する。以下の内容に沿って研究を行う。 ①一連のナノ複合メソクリスタルの作製法の開発 ②Lattice Strain Engineeringによる巨大圧電・誘電効果のメカニズム解明
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研究実績の概要 |
本研究は、独自で開発したソフト化学法を用いて結晶方位を揃えた二種類のナノ結晶から構成された強誘電性ナノ複合メソクリスタルを作製し、結晶格子歪みの制御による高性能圧電・誘電体材料を開発する。2023年度では、HTOをSr(OH)2溶液中でソルボサーマル反応させ、SrTiO3/HTO(ST/HTO)ナノ複合中間体を合成した。さらにST/HTOナノ複合中間体をCa(OH)2溶液中でソルボサーマル反応させ、SrTiO3/CaTiO3(ST/CT)ナノ複合メソクリスタルを合成した。ナノ構造解析の結果、合成したST/CTナノ複合メソクリスタルは[110]結晶軸に配向したSTナノ粒子と[001]結晶軸に配向したCTナノ粒子から構成されているSTとCTナノ結晶は3次元エピタキシャル界面を形成したことが確認された。得られたST/CTナノ複合メソクリスタルの誘電特性と圧電特性評価を行った。ST/CTナノ複合メソクリスタルは、強誘電性を示し、STおよびCT単相より高い圧電定数(d33)を示した。STとCTナノ結晶の3次元エピタキシャル界面形成によって、結晶格子ミスマッチによる格子歪みが発生し、圧電効果の増大が得られた。強誘電性ナノ複合メソクリスタルの圧電定数(d33)増大効果は、構成したナノ結晶エピタキシャル界面における結晶格子ミスマッチに依存し、格子ミスマッチの増大に伴い、まず、増大し、3.4%付近に最大値となり、それから減少していくことを明らかにした。さらに3次元エピタキシャル界面は2次元エピタキシャル界面より高い圧電定数(d33)増大効果を示すこともわかった。以上の結果から3次元エピタキシャル界面、格子ミスマッチ3.4%付近で最大の圧電効果増大効果が得られ、鉛フリー圧電材料でもPZTに超える圧電定数(d33)を実現できる可能であることを明らかにした。
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