研究課題/領域番号 |
21K04849
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
梅田 健一 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (60746915)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高速AFM / 染色体維持構造タンパク質 / DNA / 生体機能動態 / SMC5/6 / コヒーシン / 光ピンセット / 液液相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞内における液-液相分離が細胞機能性において重要な役目を担うことが明らかとなっており、こうした現象のサブ分子レベルでの形成・破壊メカニズムを明らかにすることで、これまでとは異なった観点から細胞の機能発現機構を明らかにすることに繋がる。本研究では、高速AFMを用いて、DNAやRNAに結合した状態にあるコヒーシンやSARS-CoV-2などの液-液相分離を可視化するとともに、その粘弾性計測や探針相互作用による形成・破壊過程の可視化や光ピンセットによる外力誘起などを通じて、液-液相分離のサブ分子レベルでの原理の解明を行う。
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研究成果の概要 |
SMCの染色体の形成機構を解明するために、高速AFMを用いて、サブ分子レベルでのSMCの機能動態の可視化を行った。まず、AFM観察で一般的に用いられるマイカ上において観察を行い、明瞭な分子像を得ることに成功した。粗視化シミュレーションを行うことで、O形分子構造を特定することに成功した。更に、脂質膜の実験系を最適化することで、DNAに結合したSMCをサブ分子分解能でイメージングすることに成功した。ATPase加水分解反応において表れるヘッド結合モードとヒンジ結合モードに関して、明瞭な分子構造を可視化することに成功し、これまで生化学実験で得られた描像に直接的な証拠を得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SMCのサブ分子分解能での機能動態の可視化に成功したことで、これまで生化学実験結果に基づいて描いていたイラストをダイレクトに実証することができた。更に、これまで高速AFM観察において、マイカ基板が広く用いられており、SMCなど生きた状態にある生体分子を計測できないケースが多かった。本研究において、脂質膜を用いた高速AFMイメージングの確立に成功し、これまで生体機能動態の可視化が難しかった他の生体分子にも応用可能であることを示すことができた。
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