研究課題/領域番号 |
21K04856
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 愛知工科大学 |
研究代表者 |
松浦 寛 愛知工科大学, 工学部, 教授 (50561411)
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研究分担者 |
古川 祐光 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究チーム長 (00300898)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 霧化メカニズムの解明 / マイクロプラスチックの選択的分離 / ICP型大気圧プラズマ / 霧化メカニズム / マイクロプラスチック / μプラスチック内重金属 / 大気圧プラズマ / 超音波霧化 / ジェット霧化 / 微粒子分布 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近年生態系への影響が強く懸念されている、海洋中のマイクロプラスチックに吸収された、重金属の高精度解析に関するものである。現在、海洋中の微小プラスチック濃度の増加が問題視されているが、実際に生態系へ深刻な被害をもたらすのは、劣化したマイクロプラスチックに吸収され、凝集したナノスケールの重金属や有害物質である。このため、本研究では、ナノ・マイクロプラスチックの分散溶液を、超音波霧化により大気圧プラズマへ導入・解離し、分光分析により微小プラスチックに含まれる重金属に対して、pptレベルの高精度な定性定量解析を実現する。今回の研究では、上記研究の目的に記載した①~③のサブテーマを達成する。
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研究実績の概要 |
本研究において、以下3つのサブテーマの達成を目指した:(1)超音波霧化メカニズムの解明 (2)霧化プロセスを利用したマイクロプラスチックの選択的分離 (3)ICP型大気圧プラズマによる霧化ミストに内包されたマイクロプラスチックの高精度解析。
研究期間を通じて、以下の成果をあげた:上記(1)に関しては、振動板を利用した超音波ジェット霧化法を考案し、霧化温度を直接計測する事により、超音波霧化の発生は、キャビテーションや沸騰が主要因ではなく、表面張力波が主要因である事を確認した(査読付き論文1報受理)。また、霧化用の振動板に高感度マイクを取り付ける事により、霧化の発生時と停止時に特有の音響信号を検出した。これらの音響FFTシグナルの相違から、霧化発生の有無を視覚的に観察する事なく、聴覚的に検出する方法を確立した(査読付き論文1報受理)。上記(2)に関しては、超音波ジェット霧化により、広い粒径分布をもつ無数のマイクロプラスチック群から、霧化粒径未満の狭い粒径分布をもつマイクロプラスチックだけを選択的に内包し、分離する手法を考案した(査読付き論文投稿中)。上記(3)に関しては、任意ガス励起用のICP型大気圧プラズマ発生装置を開発し、アルゴンならびに窒素プラズマの点灯を確認した。現在、ヘリウムや酸素や二酸化炭素のプラズマ点灯を検証すると共に、霧化ミストおよび霧化ミストに内包されたマイクロプラスチックのプラズマ化を進めている。今後は、任意ガス内の霧化ミストをプラズマ化し、分光分析によりマイクロプラスチック表面に付着した重金属の高精度解析を行う予定である。
最終年度は、上記(2)および(3)の研究に注力した。 現時点において、受理・公開された査読付き論文は2報、学会発表は1件である。また、投稿済み論文は1報であり、1度目の査読および修正が終わり、受理に向けた最終決定を仰いでいる状況である。
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