研究課題/領域番号 |
21K04870
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 大島商船高等専門学校 |
研究代表者 |
神田 哲典 大島商船高等専門学校, 電子機械工学科, 教授 (80616079)
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研究分担者 |
遠藤 恭 東北大学, 工学研究科, 教授 (50335379)
室賀 翔 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (60633378)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | スピン波 / 磁化歳差運動 / スピン軌道トルク / 位相同期 / 強磁性共鳴 / ST-FMR |
研究開始時の研究の概要 |
スピン波の波源を複数形成すると、スピン波は伝搬先にある波源、すなわち局所的な磁化歳差運動と相互作用を起こす。本研究は非磁性金属・強磁性体複合膜に電流を流すと生じるスピン軌道トルクを利用して複数箇所の磁化歳差運動励起源を形成し、それぞれの波源から発生するスピン波と磁化歳差運動間の位相同期現象を利用したスピン波共振器の創生を目指す。 スピン波共振器からは高コヒーレントなマイクロ波を周囲に放射するために新奇高周波デバイスへの展開を可能とする。さらに、強磁性薄膜内には高コヒーレントなスピン波が伝搬するため、スピン波干渉効果を用いた論理演算素子等のスピン波を利用した革新的次世代基盤技術構築を可能とする。
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研究成果の概要 |
本研究では非磁性金属に直流電流を流すことで生じる非磁性金属・強磁性体薄膜界面に生じるスピン軌道トルクを利用した複数箇所の磁化歳差運動励起源を波源とするスピン波と磁化歳差運動間の位相同期現象を利用したスピン波共振器の創生を目指した。局所歳差運動とスピン波間相互作用をST-FMR法により評価し、相互作用の定量評価の指針を得ることができた。さらに、局所領域に加わるトルク量を決める電流密度依存性を数値シミュレーションにより詳細に調べたところ、その歳差運動周波数が電流密度によって大きく変化することを見出し、この現象が局所領域間の磁化方向のねじれが原因であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られたスピン波と局所磁化歳差運動間相互作用の評価はそのトルク成分の特徴を捉えられたことはスピン波間相互作用を活用する高周波デバイスの高効率励起を設計する評価方法を付与する重要な成果であるといえる。さらに、数値シミュレーションからは条件によっては磁化が膜厚方向にねじれる現象が生じる可能性があることが示唆され、それに伴い、スピン波の波長が大きく変化することが示唆された。本研究で得られたこれらの成果を活用することで、大きな非線形変化を本系に付与することが可能であり、高周波デバイスのみならず、物理リザバーコンピューティングに代表されるエッジコンピューティングへの応用展開が期待される。
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