研究課題/領域番号 |
21K04891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
谷本 育律 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (60311130)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 超高真空 / 非蒸発型ゲッターコーティング / マグネトロンスパッタ / 合金ターゲット / プラズマ解析 / 成膜装置 / NEGコーティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はあらゆる真空装置の到達圧力を低減させる画期的な真空技術の確立を目標としている。本来ガス放出源である真空容器内壁を逆に真空ポンプとして機能させることで到達圧力の究極的な低減を図る。現在,粒子加速器の分野ではこの考えに基づいた非蒸発型ゲッター(NEG)コーティングが普及しているが,元来直線型ビームダクト用に開発されたものであり,現在の手法では多様な形状の真空装置に応用することはできない。そこで,本研究において,一般的な真空装置に応用が可能な小型NEG製膜装置を実現させるための研究開発を行う。この成果により,真空を利用する多様な産業や研究の分野に革新をもたらすことが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は,近年粒子加速器の真空システム用に開発された非蒸発型ゲッター(NEG)コーティング技術をあらゆる超高真空装置に応用させることを目標としている。本研究課題において,従来の手法と異なるTiZrV合金とSmCo永久磁石を採用した小型NEG成膜装置の研究開発を進め,実用化に十分な真空性能(10^-9Pa台の超高真空)が得られることを実証した。また,普及に向けてネックとなっていたTiZrV合金を高品質(高純度,高密度)かつ低コスト(高い歩留まり)で製造する手法を確立させた。さらに,多様な真空装置にも適用させるため,プラズマ解析による磁気回路の最適化を行い,更なる小型化に向けた設計を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において,高い真空排気性能を有するNEGコーティングが従来の大型成膜装置とは異なるICF114フランジマウント型の小型成膜装置でも実現できることを実証した。基本成膜方式としてマグネトロンスパッタ法を踏襲することで,小型化に不可欠な合金ターゲットと永久磁石を用いる成膜装置でも同様な結晶構造をもつNEGコーティングが成膜できていることがSEMやXRDによって観察された。このことは,NEG膜の微細結晶構造が吸着分子の膜内拡散に有効であるという学説を支持する。 また,小型NEG成膜装置は電子顕微鏡や半導体製造装置など多様な真空装置にも応用可能であり,科学や産業の発展にも寄与することが期待される。
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