研究課題/領域番号 |
21K04906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
市野 邦男 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (90263483)
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研究分担者 |
阿部 友紀 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (20294340)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ワイドバンドギャップ半導体 / バンド端エネルギー / 電気伝導型 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ワイドバンドギャップZnS系半導体における,p型伝導が得られにくいという単極性の問題に対して,Teを加えた混晶化により価電子帯上端を高エネルギーシフトさせてキャリア補償を抑制しp型化を図る,という研究代表者らのアイデア・研究成果が出発点となっている.本研究においては,上記アイデアをさらに検証するとともに,さらにMgを加えた混晶化により伝導帯下端を独立に制御し,p型特性を保ちながらバンドギャップを独立に制御することを目指すものである.
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研究実績の概要 |
本研究では,ワイドバンドギャップ硫化物半導体,とくにZnS系半導体において,その価電子帯の深いエネルギー位置が電気伝導においてp型が得られにくい単極性に大きく関与しているとの考えに基づき,バンド端エネルギーと電気伝導性との関係を明らかにし,ワイドバンドギャップと実用的なp型特性を両立することを目指している.さらには他の材料系にも適用可能性のある知見を蓄積することを目的としている.令和4年度の実績概要を以下に示す. (1) 高品質ZnSTe,ZnMgSTe 混晶の作製条件の検討 本研究の主な対象物質であるp型ZnMgSTe:N結晶の性質には,ZnMgSTe 4元混晶の結晶品質が大きく影響する.しかし,ZnMgSTe 4元混晶においては,各構成元素の飽和蒸気圧や,構成元素間の結合力が大きく異なることから,完全性の高い結晶の成長は容易ではない.そのため,継続的な作製条件の改善が必要である.今回,分子線エピタキシー法によるZnMgSTe 4元混晶の結晶成長において,特にTe/S原料供給比およびMg/Zn原料供給比やそれらの精密な制御に注意を払い,より精密な組成制御,結晶性制御を実現した. (2) p型ZnSTe:N,ZnMgSTe:Nにおける正孔濃度のTe組成依存性の詳細検討 高品質ZnSTe,ZnMgSTeをベースに,分子線エピタキシー法による結晶成長においてTe,Mg組成を変化させつつプラズマ化した窒素ガスからNアクセプタを添加してp型化を図り,結晶学的・光学的・電気的特性等の評価から,Te組成依存性等を検討するためのデータを蓄積した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高品質ZnSTe,ZnMgSTe 混晶の作製条件, p型ZnSTe:N,ZnMgSTe:Nに関するデータ蓄積など,本研究の基礎となる部分について引き続き進展が得られた.これらの点から,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べた(1),(2)の項目を引き続き進展させるとともに,当初計画に従い以下の項目に取り組む. (3) 電気伝導性決定モデルの検討 (4) p型ZnMgSTeにおける正孔濃度およびバンドギャップの最適化
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