研究課題/領域番号 |
21K04915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 和久 大阪大学, 量子情報・量子生命研究センター, 講師 (80772574)
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研究分担者 |
富田 章久 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60501434)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 直接測定 / 時間自由度 / 量子インターネット / 時間-周波数自由度 / 超短パルス / 時間-周波数量子チャネル |
研究開始時の研究の概要 |
量子インターネットにおける光子の時間-周波数自由度を用いた量子通信基盤の構築に向けて、光子の時間-周波数自由度に位おいて、状態準備・量子チャネルのプロセス・測定を評価する「直接測定」という手法の実験的検証を行う。 直接測定では1つの測定基底における測定のみで実現できるため、時間-周波数自由度に特有の測定基底の制限の影響を受けずに実現できるという利点がある。 我々はさらに、時間-周波数的にもつれた2光子の状態測定が、各ノードにおけるローカルな直接測定だけで正しく実現できることを実験的に検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では, 個々の量子系を量子通信によりコヒーレントに接続し, 将来的に大規模な量子情報処理を目指す「量子インターネット」構想を念頭に置き, 各量子系を光子の時間-周波数自由度に量子情報をエンコードして伝送する際の, 送りたい光子の時間-周波数状態の準備, および量子チャネル通過に伴う未知の変換 (プロセス) , 光子を検出して状態を評価する際の測定を評価する手段として, 「直接測定」という独自のアプローチを提案し, 実証することを目指している. 今年度は、まず量子状態の直接測定の具体的な実現方法を見直し、大幅な光子損失を伴う射影測定を利用した当初の方式ではなく、原理的に無損失なユニタリ変換を用いる新たな方法を見出した。次に、その方法を時間自由度に量子状態をエンコードした光パルス列に適用し、直接測定を実験的に実現するための予備実験を行った。状態生成に関しては光の振幅位相を変換するdual parallel modulator (DPM)で行うが、準備状態がわずかに時間ドリフトすることがわかり、それを補償する制御が必要であることがわかった。直接測定のためのユニタリ変換および光検出は非対称Mach-Zehnder干渉系および高速オシロスコープで実施し、理想的に実現できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述のように、直接測定の実験において、初期状態の生成が当初の想定よりも難しく、そこで時間がかかっている。具体的には、(1)当初想定していた光源のパワーが不足しており、ON/OFF比も十分大きくできなかったため、別途光源を選定して用いた。(2)状態生成はdual parallel modulator (DPM)を用いて光の振幅位相を変調して行うが、準備状態がわずかに時間ドリフトすることがわかり、その補償方法の方策を考案する必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
状態準備に伴う上述の問題はそれを補償する方法は準備できており、今年度はそれを対策し、正確な状態生成を行える見込みである。その上で、状態の直接測定実験を行い、提案理論を実験的にデモンストレートすることを目指す。さらにその結果を論文にまとめて、今年度中の出版を目指す。
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