研究課題/領域番号 |
21K04916
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
|
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
加野 裕 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (80322874)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 表面プラズモン / 顕微計測 / 複屈折 / 銀 / ポリマー保護膜 / 集束表面プラズモン / 顕微測定 / 屈折率測定 / 銀表面のポリマーコーティング / 銀表面の親水化 / 複屈折測定 / 光異性化薄膜 / 異方性媒質 |
研究開始時の研究の概要 |
高い空間分解能と検出感度を有する複屈折測定法を開発し,細胞異常の早期検知への応用を行う.これを実現するために,集束表面プラズモンを測定プローブに用い,試料との相互作用の結果得られる空間周波数応答から,常光線,異常光線に対する屈折率を測定するための原理開発と装置試作を行う.この原理,および装置の優位性を示すために,膜厚が100nm以下の異方性を持つ薄膜試料を用いて,200nm以下の空間分解能で,0.001オーダーの複屈折測定が行えることを実験的に検証する.さらに,生体細胞を試料として,細胞異常によって生じる複屈折,もしくは失われる複屈折を測定し,細胞診断における有用性を検証する.
|
研究実績の概要 |
集束表面プラズモンを測定プローブとして複屈折の顕微分布を測定する手法を生体細胞観察に応用するため,表面プラズモンを励起可能な基板表面での細胞培養の実験を継続した.前年度に見出した手法により,表面プラズモンを励起する銀の表面をポリマー(ポリメチルメタクリレート)薄膜で保護する処理を行った.この基板に対し,ラットの神経細胞(後根神経節)を培養し,その基板の顕微領域からの反射光空間周波数スペクトル測定を行った.その結果,基板の銀を劣化させずに培養は行えたものの,周波数スペクトルは基板表面で生じる多重散乱に起因すると思われる背景雑音が支配的になってしまい,集束表面プラズモンの伝搬定数を決定することができなかった.ポリマー保護膜と培養細胞の間への不純物混入が,背景雑音を発生させた原因と考えられ,細胞培養条件の精査が課題として残った. また,複屈折を示す媒質と相互作用した集束表面プラズモンが示す空間周波数応答から,複屈折媒質の光学軸方位,常光線,異常光線に対する屈折率を求めるプログラムの改良を行った.このプログラムでは,空間周波数スペクトル画像において,楕円化した周波数スペクトルパターンの中心,長軸の長さ,楕円率,長軸の方位の5つのパラメーター推定を非線形収束法(シンプレックス法)によって行う.シンプレックス法において,より高い評価値を与えるパラメーターセットを探索する際,候補となるパラメーターセットの選択肢を増大させるとともに,その序列を調整し,探索不能となる状況が回避できるようにした.これにより,複屈折を生じさせる光学軸の方位推定の精度が向上した.
|