研究課題/領域番号 |
21K04927
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
角屋 豊 広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 教授 (90263730)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | non-Hermite / Photonics / Waveguide / Grating / Meta-surface / 非エルミート / フォトニクス / 導波路 / テラヘルツ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,金属グレーティングを有する光導波路におけるBound-state In the Continuum(BIC)やExceptional Point(ExP)など,非エルミートなハミルトニアンで記述される物理状態に関し,代表者らの理論的な予測,すなわち発現点が偏光に依存すること,BICとExPが同一のパラメータ空間内に比較的近接して共存すること,さらに,そのパラメータがグレーティング内のファブリペロー共鳴で調整可能であること等を実証する.動的なパラメータ制御が可能な,非エルミート系物理研究のフォトニックプラットフォームの実現につながることが期待される.
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研究成果の概要 |
本研究では,実用上も重要なグレーティング具備導波路において,非エルミート物理の特徴である連続準位中束縛状態と例外点が生じ,これらが構造パラメータ―によって制御可能であることの実証を目的とした.波長域をテラヘルツ帯と選定し,上記を実現可能なグレーティングとして非対称2層金属グレーティングを考案し,連続準位中束縛状態が容易に制御可能であること理論的に確認した.また2層グレーティングの簡便な作製方法を確立し,全反射波取り出し実験により,その動作を確認した.さらに,例外点と伝搬方向選択的なカプラ―の関係に関する研究展開の着想を得た.また考案した構造はテラヘルツ波光源の高出力化にも資する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年注目を集める非エルミート物理は物理学的な興味にとどまらず,実デバイスにおける影響・利用の観点からも重要である.光学系においては,従来はほとんど認識されていなかったが,本研究で対象としたように導波路+カプラ―という,いわばありふれた構造でも発現するため,その理解や制御方法の確立は工学的にも極めて重要である.本研究では実証には至らなかったが,容易な構造で制御ができることを示し,また構造の作製と動作検証までを行っており,光学デバイスにおける非エルミート物理の理解と応用に資する結果を得た.また,考案した構造はテラヘルツ波光源の高出力化にも資するものであり,社会的意義も大きい.
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