研究課題/領域番号 |
21K04929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分30020:光工学および光量子科学関連
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 篤 東北工業大学, 工学部, 教授 (00322686)
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研究分担者 |
石井 昌憲 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (70359107)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 固体レーザー / 中赤外 / パルスレーザー / 側面励起構造 / レーザー / 発熱 / センシング / 宇宙 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙用レーザ技術は、地球環境モニタリングや深宇宙通信、惑星探査におけるコア技術の一つであるが、衛星の供給電力や排熱量には制限があるためレーザ装置には省電力化や低排熱化が求められる。現行の宇宙用高出力レーザは、波長1μm帯近赤外レーザ及びその高調波光源に限られているが、今後、風や温室効果ガスなどの高度なセンシングに展開するには、衛星システムが成立する低消費電力かつ低排熱量の高出力中赤外レーザが必要である。本研究では、衛星リモートセンシングに利用可能な高出力中赤外Hoレーザの低発熱発振技術を確立・実証し、宇宙用レーザにおける中赤外領域の開拓を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度は、励起用Tmレーザーの最適化ならびに高出力化、Hoレーザーの励起実験を実施することを予定していたため、それらの研究開発を進めた。ただし、2022年3月に発生した地震により、Tmレーザーが破損したため、年度前半はその復旧作業にあたった。Tmレーザーヘッドは、破損前よりも強固な構造に作り替えた。レーザー結晶温度や共振器設計条件の最適化も実施し、破損前と同等以上の出力が得られることをレーザー動作実験により確認した。レーザー出力は、最大で昨年度の約2倍となる14mJを達成した。その一方で、必要とする高出力パルス動作が可能なLD電源の入手困難な状況が改善されなかったため、高出力動作実験は実施できなかった。そのため、共振器モード半径を絞り、低しきい値となる条件下でレーザー実験を実施した。この状況では、共振器モードと励起領域とのモードマッチング効率が低下するため、スロープ効率が10%以下にまで低くなっていることがわかった。高出力LD電源の調達後、モードマッチング効率を向上させ、スロープ効率を改善させる予定である。また、さらなる高出力化のため、0℃付近までレーザー結晶を冷却するための実験環境を構築した。Tmレーザー開発と並行して、前年度の動作シミュレーション及びレーザー設計の結果に基づき、Hoレーザー部を試作した。Hoレーザー部は、ロッド型結晶を用いた端面励起構造とした。年度内にHoレーザー実験までは実施できなかったが、次年度早々にHoレーザー実験を実施するためのシステム構築までは完了した。以上の研究開発は、年度内に3回の進捗状況報告会を研究分担者との間で開催し、実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
励起用半導体レーザー用の高出力パルス電源の供給状況が改善せず、これが入手できなかったため、高出力化実験まで進めることができなかった。その分の遅れが若干あるものの、現在利用できる条件下でのTmレーザー動作実験や次の実験のためのHoレーザーの構築は順調に進められた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に実施する予定だったHoレーザーの励起実験が未実施となっているが、レーザーの構築は完了しているため、2023年度はこの実験から着手する。高出力LD電源の調達も進めており、年内には共振器内共鳴励起方式の動作実験の成果が得られる見通しである。若干の遅れ分も吸収し、本研究課題は当初研究計画通りに遂行する。
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