研究課題/領域番号 |
21K04941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
沈 秀中 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (20362410)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 試験研究炉 / 燃料板間流路 / 気液二相流 / 流動特性測定 / ボイド率 / 界面積濃度 / 流動様式遷移 / 界面積濃度輸送方程式 / 界面輸送モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
試験研究炉の過渡変化・事故の予測と安全評価の精度を向上するため、本研究は、試験研究炉炉心燃料要素を模擬した3種類の垂直狭隘円弧状流路内複雑な気液二相流の流動特性を先進4センサ・プローブを用いた局所計測を行い、気液二相流のボイド率、界面積濃度、気泡速度及び気泡径などの局所流動パラメータのデータベースを構築し、狭隘円弧状流路内気液二相流の複雑な相間相互作用と界面輸送機構を解明した上で気液二相流流動特性の高精度予測を可能とする流動様式遷移モデル、ドリフトフラックスモデルと界面積濃度輸送方程式を開発する。また圧力損失等の設計パラメータに関する既存の相関式の適用性を評価し、問題があれば改良を行う。
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研究実績の概要 |
試験研究炉最適安全評価コードの物理モデルを構築・検証する目的を実現するために、令和4年度は以下の実験準備、実験研究とモデル開発を実施した。(1)試験研究炉燃料要素実寸大の狭隘円弧状流路試験部(隙間G3mm×高さH1m×幅L65.88mm×円弧半径R13.9cm)1体及び気相と液相を均一に導入可能な気液混合器1体を製作・設置した。(2)4本光ファイバーで構成する4センサー・プローブを利用した広範囲の空気ー水気液二相流の計測実験を実施し、気泡をそのサイズにより一群小気泡群と二群大気泡群に分類し、それぞれ気泡群のボイド率、界面積濃度、気泡径、気泡速度のデータベースを構築した。(3)差圧計測系統による広範囲の空気ー水気液二相流の局所圧力損失の計測を行い、流れ方向の平均ボイド率と摩擦圧力損失のデータベースを構築した。(4)高速カメラを利用した広範囲の空気ー水気液二相流の流動様式の観察実験を実施し、取得した流動様式データの分析によって狭隘円弧状流路試験部内気液二相流の流動様式特性の解明と流動様式遷移モデルの開発を検討した。(5)既存の狭隘流路用ドリフトフラックスモデルの予測ボイド率と収集した実測ボイド率データの比較を行い、既存のドリフトフラックスモデルの問題点を明らかにした。(6)ドリフトフラックスモデルの分布パラメーターとドリフト速度が上昇気液二相流を一次元的に扱った際に相分布と気液二相運動の不均一性により生じたものであるので、狭隘流路内気液二相流の極端な物性状況、流路特徴及び局所流動条件を考えて、分布パラメーターとドリフト速度それぞれの新しい構成式を開発・検証した。(7)本年度の研究成果は学術会議で発表した。国際学術ジャーナルにも投稿・発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、本年度の実験実施に必要な狭隘円弧状流路試験部(隙間G3mm×高さH1m×幅L65.88mm×円弧半径R13.9cm)の製作と設置が完了し、この狭隘円弧状流路内気液二相流のボイド率、界面積濃度、圧力損失と流動様式遷移データの取得ができた。更に収集した実験データを利用して狭隘流路内気液二相流の新しいドリフトフラックスモデルを開発した。従って、当初計画とおり、最終年度は狭隘円弧状流路試験部(隙間G3mm×高さH1m×幅L100mm×円弧半径R13.9cm)の製作と設置、詳細計測によるデータベースの構築及び界面積濃度輸送方程式などの開発作業に問題なく移行できることから本判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画どおり研究が進展しており、このまま計画通りに研究を遂行する予定である。
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