研究課題/領域番号 |
21K04942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 啓 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (50421590)
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研究分担者 |
江連 俊樹 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 高速炉研究開発部門 大洗研究開発センター 高速炉技術開発部, 研究主幹 (10421570)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | キャビテーション / 液中渦 / 壁面せん断応力 / 数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
高速流体中において発生するキャビテーションは,流体機器の振動や騒音を引き起こすため,キャビテーションの発生メカニズムを明らかにすることは工学的に重要である.しかし,液中渦によって発生するキャビテーションに関しては,発生条件が十分に明らかになっておらず,流体機器において液中渦キャビテーションの発生を予測することは未だ困難な状況である.このため,本研究では,液中渦キャビテーション現象を対象とした基礎実験および高精度・詳細数値解析を行うことにより,液中渦キャビテーションの発生に対して支配的であると考えられる壁面の境界層内部の流れ場構造を明らかにし,液中渦キャビテーションの発生条件を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究は,液中渦キャビテーション現象を対象とした基礎実験および高精度・詳細数値解析を行うことにより,液中渦キャビテーションの発生に対して支配的であると考えられる壁面の境界層内部の流れ場構造を明らかにし,液中渦キャビテーションの発生条件を明らかにするものである.研究初年度である令和3年度は,基礎実験における感圧液晶(圧力変化による酸素分圧変化によって光の強さの変わる液晶)の検討を行うとともに,詳細数値解析における乱流モデルの検討を行った.令和4年度は,実際に液中渦キャビテーション現象に対して感圧液晶を用いた圧力計測を行う準備を進めるとともに,気液界面における安定・高精度解析法の検討を行った.令和5年度は,実際に液中渦キャビテーション現象の計測を行うための計測装置の設計・検討を行い,液中渦キャビテーション発生時の渦中心近傍の圧力分布についてデータを得る見通しを得た.令和6年度には,実際に小規模実験体系における計測を行い,液中渦キャビテーション発生の物理的機構について検討を行う予定である.一方,詳細数値解析に関しては,令和5年度に相変化モデルの改良を行うとともに,(相変化を伴う)気液二相圧縮性流れを計算するスキームの検討・構築を行った.具体的には,圧縮性・非圧縮性を統一的に解析できるCUP法の考え方に基づき,相変化による局所的な速度発散を陽に取り扱うことで気液二相圧縮性流れを高効率に計算できるスキームを構築した.令和6年度においては,構築したスキームの妥当性検討を行うとともに,実際に液中渦キャビテーション小規模実験を対象とした数値解析を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り,令和5年度は液中渦キャビテーション現象の計測装置の設計・検討を行ったが,その際に他の試験実施等との兼ね合いによって計測装置の組み立てなどに当初予定より時間を要し,実際の液中渦キャビテーション現象を計測することはできなかった.また,数値解析に関しても対象とする液中渦キャビテーション実験が決定できず解析開始が遅れている.そのため,本研究は令和6年度に延長して実施することとした.
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り,令和6年度においては,令和5年度に達成できなかった液中渦キャビテーションの基礎実験における計測と,実験を対象とした数値解析を実施する.
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